1.stained glass
それは
桜花冷えの硬質な空に
一際映える、
のです
江戸桜、でなければ
なりません
満開、を迎えたら
猶予
はありません
はらはらと
花弁が降り始めの午、が好い
ほろほろと
宴の酒にほろ酔えば、尚の事
大の字に
天を仰げばわかります
きっと
世界が変わります
裏切られ、恋破れ、
愛は死に、
哀しみの……
ただ哀しみ、
一色の、
『蒼い』
空に
分光魔術の
fractal stained glass
淡い
桜花色硝子の向こうに
―― 哀しみの ――
空は続きますが、
慰め、にはなりましょう?
2.虹色日輪
北南
北南北
南北
春訪ひに
日和見の風
きたみなみ
きたみなみきた
みなみきた
はるおとなひに
ひよりみのかぜ
北西風を
喘ぎて渡る
我が背に
光子光波の
打ち寄する午後
ふゆかぜを
あへぎてわたる
われがせに
くわうしくわうはの
うちよするごご
一輪の桜花
一片の雲
に、風
光密度極みし
虹色日輪
いちりんのはな
ひとひらのくも
に、かぜ
ひかりきわみし
にじのにちりん
notes
1. stained glass/ルビ一覧
✻桜花冷え:はなびえ✻
✻花弁:はなびら✻
✻午:ひる✻
✻分光魔術:スペクトルマジック✻
✻桜花色硝子:はないろがらす✻
written
2020/03/24,25
photographed
2020/03/24
そして何処か切なく哀しい
ところで大丈夫ですか
お江戸は大変なことになりつつあるようで 心配です
どうかご無事で
画像とことば
写真は確か74枚撮った中からイメージに近いもの3枚を選びました。殆どが『偶然良く撮れた』ものだと思います。画像のイメージは強いので、先にプロットを書いて詩のイメージと拡がりを確保してから、画像と擦り合わせるようにしています。
詩
春の哀しみと美しさを読者さんが五感的にイメージ出来るように書いたつもり、――つまり、つかさ的イメージを押し付けるのではなく、つかさ的イメージをきっかけとして読者さんがイメージを拡げ、渾然一体と寄り添いながら拡がっていく、ような。そこまで行けたかどうか、ちょっと自信がありません。
パンデミック緊急事態
んー、ニュースで見るとヤバそうに見えると思うんですが、至って平和❤みたいな?お江戸です。毎週行っている病院では、コロナ対策で受付に透明ビニールシートを貼って仕切っているのですが、それがエド・ウッドの映画みたいで、何だか喜劇的に見えまする。