仙台市の佐藤拓郎さんから、俳誌「澪」(みを)の送付を受けている。
私達は退職後 20 年たつが、佐藤さんはいつの間にか仙台にいて俳誌発行をルーチンワークとしていた。学生時代から飛びぬけた努力家ではあったが、俳句まで手がけるとは思わなかった。しかし、今や堂々たる俳人である。
前置きはさておき、送られた 2 月号には、主宰 早川俊三氏の“どんと火” 9 句の下段に、特別作品“仙台朝市”宮野かほる氏 10 句が掲載されていた。
新豆の赤白黄数へ日に
“数へ日”は、今年もあと何日と数えたくなるような、年末の数日。
「まめどん」てふもやしの名前冬ぬくし
喧噪の朝市通り室の花
「室の花」は予想通り「温室栽培の花」だった。
メキシコの南瓜仙台朝市に
焼かれしは万石浦の鯊なるぞ
万石浦(まんごくうら)は石巻市から女川町にかかる海跡湖で、二代目藩主伊達忠宗が「ここを干拓すれば一万石の米が取れるだろう」と言ったことから名がついた。江戸時代には塩田があり、1960 年まで製塩が行われた。2011.3.11 では、養殖棚やカキの処理場が使用不能となるなど大きな被害を受けた。
焼き鯊(ハゼ)が串刺しになって店の軒先にぶらさがるのは仙台ならではの風景で、雑煮の碗には鯊一匹をまるごと入れる。
蛸足に吸盤二列雪催
獅子柚子の鎮座してをる朝市に
店頭に正しく並ぶ曲り葱
仙台名物の葱は、甘みを増すため栽培中何度も土をかけてわざわざ曲げるのだそうだ。
冬林檎いづれの店にても真っ赤
トロ箱に動く毛蟹の初荷かな
実際に仙台朝市に行ってきたような気がした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます