雨曇子日記

エイティライフの数々です

三浦環のエピソード

2020-08-27 09:48:25 | つれづれ

2020NHK朝ドラ「エール」では、女優柴咲コウが双浦環=三浦環を演じている。

 

       (古山音役の二階堂ふみ&双浦環役の柴咲コウ)

            (双浦環役の柴咲コウ)

 

服部龍太郎「”夜話”日本のメロディ」に、三浦環についての次のようなエピソードが載っていた。

 

「・・・ピアノを教えている21歳の滝廉太郎が、16.7歳の柴田環に愛情を寄せて、プロポーズしたというのである。滝も柴田もいずれおとらぬ早熟の天才であったから、全然否定するわけにはいかないが、はたしてそんなことがあり得ただろうか。プロポーズされた環は”少し考えさせてください”と、確答をさけたが、”あの時ぐらい困ったことはありませんでした”と後になって告白したというから、話はやっかいになってくる。

柴田環が後年の三浦環であることはいうまでもないが、この人が目につきやすい女性だったことは、少女時代も中年になってからも変わりはない。

音楽学校に通いだしたころの環さんは、勇敢にも自転車に乗って通学した。上野の田を牛の背に乗って通う美術学校の先生もいた時代である。

山田耕作(エールでは志村けんが演じる”小山田耕作”)は、自伝の中でこう書いている。「そのころ、文明開化の尖端であった自転車を、しかも妙齢の美女、環さんが走らせるのだから評判にならない筈はない。しかし、私たちにとっては、それは悪戯の目標でしかなかった。

ある日、自転車に乗った環さんに行き合った。”それっ!”と私が目配せをするまでもない。とっさに美校と音楽の連合軍は、腕を組んで自転車の行く手を遮ってしまった。・・・三浦さんは、とうとう操縦の自由を失って精養軒のわきの浅い溝へ自転車もろとも落ち込んでしまった。・・・」

 

 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
山田耕作 (☂☁子)
2020-08-28 15:47:01
私が引用した「日本のメロディ」では、こう書いています。
「日本の歌曲で、山田耕作の占める比重はすこぶる大きい。というよりも、日本の歌曲らしい歌曲は、山田耕作から始まったといっても過言ではない。歌曲だけでなく、オペラや交響曲のうえでも先駆者であり、開拓者であったことはいうまでもない」
・・・若い頃にはあれほどふさふさとした髪を蓄えていたのに、晩年には丸坊主の禿げ頭になったので、作の上にケをつけたほうがよかろうなどと、とぼけていた。(実際、耕作を耕筰と後年改めた)

返信する
そうなんですか (谷氏)
2020-08-28 10:16:40
☂☁子さま。
楽しい裏話ですね。
志村さんの演じる「日本音楽界の重鎮」とは、
山田耕作さんなんですか。
山田耕作と言えば、童謡の作曲家としか記憶にないですが、
青レーベルのクラシックの大家だったんですか。
初めて知りました。
勘違い頓珍漢でしたらご容赦ください。
返信する

コメントを投稿