NHK朝ドラ「エール」の影響で、世間の注目は、古賀メロディーにも向けられているようだ。
ドラマでは、満州事変の昭和6年のヒット作「酒は涙か溜息か」が巷にもてはやされている様子、続いて発表された、藤山一郎の歌う「丘を越えて」の吹込みシーンなどがみられた。
”古賀メロディー”にはどんな曲があるか、少し調べてみた。
「影を慕いて」(まぼろしの影を慕いて雨の日に・・・)
「サーカスの歌」(旅のつばくろ さびしかないか・・・)
「二人は若い」(あなたと呼べば あなたと答える・・・)
「ああそれなのに」(空にゃ今日もアドバルーン・・・)
「男の純情」(男いのちの純情は・・・)
「人生劇場」(やると思えばどこまでやるさ・・・)
「東京ラプソディー」(花咲き花散る宵も・・・)
「誰か故郷を思わざる」(花摘む野辺に日は落ちて・・・)
昭和20年、戦争が終わると、次のような曲が続々生まれた。
「湯の町エレジー」(伊豆の山々月あわく・・・)
「芸者ワルツ」(あなたのリードで島田も揺れる・・・)
「柔」(勝つと思うな思えば負けよ・・・)
3000曲以上を作曲したそうで、名曲をいちいちあげればきりがない。私は、現在巷に流れている歌はほとんど歌えないが、上記の歌なら歌える。
古賀政男は、さすが、国民栄誉賞の作曲家だと思う。(昭和53年・1978)受賞。
♪影を慕いて、雨の日に飲む酒は、
・酒は涙か溜息か
♪酒は涙か溜息か、心の憂さの捨て所、
遠いえにしの彼の人に、毎夜の夢の切なさよ……
・悲しい酒
♪ひとり酒場で飲む酒は、別れ涙の味がする、
飲んで捨てたい面影が、飲めば、
グラスにまた浮かぶ…
日本人の琴線を揺する古賀演歌の代表ですね。
日本人なら誰でも感じ入る心のメロディーだと思うのですが、
最近の若者たちの心には全く感じなくなっているようです。
ライブ中心に人気の、
Jポップスと呼ばれる「喚く」歌が、
私たち高齢者には、まったく感度を喚起しないように、
演歌が感じられない日本人が、
大勢を占めるようになっているようです。
演歌はやがて、新内や浪曲のように、日本の古典芸能の分野になってしまうのだろうか。
「誰か故郷を思わざる」
TBSだったか、土曜の朝「サワコの朝」という番組がありまして、各界の(主に芸能人)有名人の話を聞くのですが、その中で、「思い出に残る曲」を二つ披露することになっているのですが、だいたいそこには演歌は登場しません。
エールを送る歌ではなく、単に”懐かしのメロディー”なのでしょう。
言ってみれば”クラシック”。演歌は、青レーベル、ということにしておきましょう。