月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

深山之桜

2012年04月08日 19時47分11秒 | 仏々相念(住職日記)

暖かい日中・・・

 

宇和島の桜も散り始めました。

咲き始めたかと思えばあれあれという間に満開となった今年の桜。

精神的な疲れを癒してくれる・・・そんなひと時をいただいたことです。

 

お参りさせていただいたところでこんな話になりました。

「死ぬ時は死ぬんだから・・・」

確かにそうです、私もそう思います。

どんなに身体に気を付けていようとも思わぬ事故で亡くなることもあるでしょう・・・

あまり身体に気を付けていなくても長生きすることもある・・・

死ぬ時に死ぬんであります。

 

でも、続いておっしゃるのです・・・

「できればポックリ死にたいな~」って。

切実な問題です。

生きてはいたいけど、寝付いてしまうと自分もしんどいが周りの者に迷惑を掛けてしまう。

これもまた頷けてしまいます。

 

自分の事として考える時、自分が寝付くと絶対周りの人に辛く当ってしまうことは明らかであります。

大切な人であろうと・・・

愛する人であろうと・・・

自分を愛することの深きが故に他の人々を傷付けることになるのでありましょう。

その時に「ありがとう!」って言えればいいのですが・・・

そうありたいと思うのですが・・・

恐ろしき言葉が出ている自分が見えてしょうがありません。

 

だから・・・だから・・・

身体的にも精神的にもちょっと余裕があるのであれば、今、「ありがとう!」言いましょう。

そんなことをお話ししたことです。

 

「深山隠れの桜木は、眺むる人は無けれども、花は春ごとに開くぞかし・・・」

祖父がこの季節に好んで申していた御讃題。

桜の花は、人に見られるために咲くのではありません。

自然の大きな大きな恵みをいただいているからこそ、「ありがとう!」いっぱいの輝きを咲かせるのです。

何とその輝きの美しいこと・・・

その美しさが山の美しさとなる。

一つ一つの輝きで山の色となる。

 

自分一人で生きているのではありません。

横柄になっていませんか・・・

偉くなっていませんか・・・

「あなたがいてよかった」そう思う人あれば「ありがとう!」を伝えましょう!

 

今のうちに・・・

 

その一言で、お浄土の色となる。


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