事務所通信

源泉徴収義務




会社が従業員に給料を支払う時には所得税を源泉徴収(天引き)して、

税務署に納付する義務があります。


会社が弁護士や税理士に報酬を支払う時も10%を源泉しなければいけません。

(ただし弁護士法人や税理士法人へ支払う場合は源泉不要です)



ある会社の社長さんが得意先との間で起きたトラブルの相談に、

スポットで弁護士事務所に行きました。

相談が終わって、


『先生、相談料はいくらですか?』

『そうですね。5千円でお願いします。』


こういう流れの時に、社長の側から、

『じゃあ500円天引きして4,500円払いますね。』

なんて実際問題として、言える訳がないでしょう。

社長は、5千円を支払いました。



先日の税務調査で、

調査官が、ここを指摘してきました。


経理が完璧な会社さんで、

他には全く問題がなかったので、

調査官としては何か実績を作りたかったのでしょうか。


『調査の結果、修正すべき事項は何もありません。ただし500円だけ納めてください。』


確かに正しくは500円の源泉徴収義務はありますが、

おまえ、本気で言ってるのかよ。


あまりのことに反論する気も起きません。

ブログのネタにしようと思って、500円納めることにしました。


『わかりました。納付書は筒井の事務所に郵送してください。』



さすがに『統括官』(調査官の上司)が、


(『まあ、500円の源泉なんかやめておけよ。』)


とか言うかもしれないと予想していたのですが、

きょう、本当に送ってきやがった。


ばかばかしいので、

私がポケットマネーで納付しました。



今さら社長さんが、弁護士先生の事務所に行って、

500円回収できるわけがないでしょう。

弁護士だって確定申告が終わっているのに。


まったくもって、センスの悪い調査官は困ったものだ。



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