年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

印度洋の常陸丸 ②

2007年04月28日 | 福神漬
印度洋の常陸丸
著者の長谷川伸は一般に大衆小説や新国劇の劇作家として知られていたが,彼がどうして『印度洋の常陸丸』を書いたのだろうか?
 長谷川伸は横浜市日の出町生まれで、生活のためドックで小僧生活を送り、職を転々とし新聞記者(都新聞・今の東京新聞)となって、のち作家となった。
 戦時中、従軍記者となって南方を回る。昭和31年『日本捕虜志』で第4回菊池寛賞を受賞。この本を知り合いに贈ったところ、常陸丸の話が出て取材が始まった。
 2代目常陸丸遭難の話は忘れられていたのである。戦争前は捕虜の話をすることは好まれない時代であった。生きて虜囚の辱を受けずという言葉の時代であった。
 長谷川の『印度洋の常陸丸』もドイツの仮装巡洋艦の攻撃を受けて、捕虜になってからの話が中心となっている。
 自決した、常陸丸の船長の無念さがインド洋に漂った福神漬の木箱にある気がする。
 
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