真情春雨衣 梅亭金鵞著
福神漬の命名をした梅亭金鵞は江戸末期には春本の作者であった。彼の代表作は今では近代デジタルライブラリーからネットで読むことができる。しかし、古文とかの知識がなければ発情することはないだろう。挿絵もおとなしく、とても現代文約を読まなければ無理だろう。
なぜこの本を読もうと思ったかは梅亭の検閲逃れのテクニックを知りたかったためである。
春本を愉しむ 出久根達郎著より
出久根さんの見解だと『真情春雨衣』は女性のための人情本だったという。江戸末期の貸本屋は宅配していて、外出の自由のない女性に春本(人情本)をそれとなく他の本と混ぜて配達していたようだ。男性用の本は露骨だが女性用は絵がおとなしい。それゆえ今ではネットで読めるようになったのだろう。
石川啄木もどうやら梅亭の本を読んでいたようだ。(春の朧夜)明治の貸本屋は今のアマゾンのように読者の興味を引く本を選び配達していたようだ。
源氏物語が今でも読まれている原因は江戸時代に春本の題材となっていて、そこから本来の源氏物語を読むきっかけとなったという。そして春本源氏物語から大奥の模様を想像していたかもしれない。