年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

菠薐草(ほうれん草)

2021年12月01日 | 福神漬
南葛飾郡誌に菠薐草の作付け面積が載っていて、福神漬のナタマメ(刃豆)も載っていた。
南葛飾郡教育会蔵版 南葛飾郡役所大正12年刊
 最初にこの本に出合ったのは千葉県立図書館で、明治の初めの東京市の調査以来で記録に出てくるナタマメの資料捜索だった。今では福神漬の用途しか思い当たらないが当時はほうれん草と同じくらいの作付けが多かった年もあった。

 大正元年  刀豆 2.5反 ほうれん草 3反
 大正7年   刀豆 0.2反 ほうれん草 3.6反
 大正10年 刀豆 12.7反 ほうれん草 38.8反

南葛飾郡は、東京府にあった郡。 郡名はそれまでの武蔵国葛飾郡を埼玉県に属する地域と東京府に属する地域に分けた際、北にあたる埼玉県側を北葛飾郡、南にあたる東京府側を南葛飾郡としたことによる。従って、父や叔父の埼玉県春日部市庄和町は戸籍では北葛飾郡となっている。

 残念ながら大正10年以後のデ―タは見つからないが、大正12年に関東大震災があって、その後の復興によって、南葛飾郡は都市化が進んでいるので栽培面積は減っていると思われる。今は千葉とか埼玉の県境の通勤に不便なところに都市農地が残っている。多分都内では趣味的栽培以外はナタマメはないだろう。文献によると結構美しいい花が咲く。そして毒性のある豆を作る。

 キャベツは甘藍(カンラン) 
 大根はスズシロ(清白、蘿蔔) 
コメント
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