年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

新川物語・酒問屋の盛衰 廃棄予定の本

2021年12月26日 | 福神漬
新川物語・酒問屋の盛衰 望月由隆著
本の整理中で、廃棄リストの中にあって、捨てる前にもう一度読み始めた。この本の著者は昭和30年代に大学を出て、酒関係の業界新聞の記者として、酒問屋業界の盛衰をこの本で記録として残した。今は中央区新川には鹿嶋屋という酒問屋が残っているようだが、多くの酒問屋は金融センタ-の茅場町に立地していてビル等の不動産経営に移っていて、江戸時代の酒蔵の面影はない。
 新川に酒問屋が集積したのは河村瑞賢から始まる。瑞賢の屋敷が新川にあって、今はひっそりとビルの谷間に記念碑が埋もれているのがネット上では見える。先日番地を特定し、近所を徘徊しても新川大神宮らしき神社は見つけることは出来なかった。良くネットの文章を見ると奥まったところにありそうだ。河村瑞賢は福神漬命名伝説の一つで、そのためこの本が積んどく本となり、今は処分さるる予定となった。
 漬物問屋をはじめとして、食品問屋・荷受け等の業態が平成に入ってス-パ-等の拡大によって整理統合され従業員と商権を譲り、それまで使用していた不動産で暖簾を守っているようだ。
 戦後の酒問屋の浮き沈みが激しく、物不足の時は荷物さえあれば良く、入金確認してから酒を売り渡していた時代もあった。それが物が豊富となると、酒のライバルとなるアルコ―ル飲料に押され、さらに粗製の酒などの混乱から、長期低迷となったようだ。
 あまり酒を飲まない自分は酒の良し悪しは判らないが、低迷する業界から逃げ出し、新規に雇用した中途採用の人物が成果を短期にあげようとし、無理した販売促進して、また同業者もライバルの攻勢に対処すべく乱売になったと思われる。
 今は飲酒運転の問題からアルコ―ル系の宣伝は静かとなっていて、そのうちタバコのようにヨーロッパではTV等では宣伝できない時代となった。日本もTVで宣伝できなくなるのが間も無く来るかもしれない。このことを阻止するのが財務省酒税局だろう。酒税は室町時代から始まる酒壺税からで、物品税の始まりとなる。タバコも廃止できないのはJR発足時に旧国鉄の債務に一部充てられていて、頭の良い財務省の役人はコロナ対策費を今後どのようにねん出するのだろうか。インフレになり税収が上がっていても国債の金利が上がらない。トルコ並みの経済学の原則に反している状況と見たい。
財務省によると令和元年度末時点では24兆強あった旧国鉄負債がまだ16兆3千億円の残っていて、タバコの値上げで減少スピドが遅れている気がする。そのうちコロナ対策の飲食店支援政策で酒税の一部をコロナ対策税とし、数年後にタバコと酒を統合し旧国鉄債務の処理促進というマジックがあるかもしれない。
 これは明治14年の政変のもとになる、北海道開拓の失敗で始まった処理方法である。福神漬の歴史を調べると、異分野から安価になった設備・資金で漬物業に参入し、混乱だけ残したことを見聞きする。

コメント
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