TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

「大人」がいない

2008年01月27日 | 読書日記
「大人」がいない 清水義範 著 ちくま新書
最近の日本は子供がおかしくなっている。
実はその原因として親の教育力に問題があるのではないかと著者は述べる。
親がちゃんと大人になっていないだけではなくて
大人がちゃんと大人になっていないのではないかと、
近頃の日本は大人がいない世の中じゃないのかと考察する。
ざっくばらんの教育論のような日本人論のような本。
「大人」のよい面、
(豊かな経験をもとに正しい判断ができる。
自己のコントロールができる。対人関係が構築できる。子を教育する。)
「大人」の悪い面、
(個人の自由を認めない。つきつめず、折りあいをつけてしまう。
他人のことに口をはさむ。)
「大人でない」のよい面、
(自由にものが考えられる。新しいこと、未知のことに挑戦する意欲がある。
学んだだけ向上する。)
「大人でない」の悪い面
(自分本位になりがちである。視野が狭い。生活力がない。)
を揚げて、近頃の日本人の特徴を説明している。
ゲーム・アニメ大国の日本、フリーターやニートの増加、
携帯電話のメール交換好きなど、近頃の日本人の特徴がたくさん説明されていて
なるほどと思うふしがたくさんあった。
日本は子供文化で世界中をリードしているという。
大人にならなくても生きていけそうな子供文化があちこちに散らばっている。
成熟した「大人」のよい面を持ちながも、
「大人でない」のよい面を持ち続けられるような日本人が
これからの日本を支えていくことを切に望まずにはおれない。
コメント
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