TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

学校の事件

2017年03月18日 | 読書日記
学校の事件 倉阪鬼一郎 著 幻冬舎
吹上の町に起こる怪事件の数々、教師や子どもたち、高校生たちがこの小説には登場します。学校が背景になっているものが多い連作小説集でした。最後の章でそれぞれの章の登場人物の繋がりがよくわかるような構成になっていました。この小説は奇怪なことを想像し、犯罪を実行した人や犯罪になりそうなことを想像しながらも結局は犯罪にならなかった人の心理がうまく描写されていました。犯罪を起こす人も想像の世界だけに終わった人もみんな初めは普通の人だったということと彼らに投げかけられた言葉が彼らの心に痛く突き刺さっていたことを考えさせられた小説でした。人間の奥深くにあるどろどろとした深層をえぐりだした怖い小説でした。投げかけられた言葉によって人が傷つき、時には豹変させることもあるということを言葉を発するときには誰もが考えないといけないですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする