怪物はささやく パトリック・ネス 著 あすなろ書房
物語の主人公コナーは13歳の男の子。彼は母さんと二人で小さな家に暮らしていました。コナーの母さんは、重い病気にかかっていることが1年前に分かり、そのころから学校の友達も先生もこの世の全員が、「重病の母親を持つかわいそうな子」として、まるで腫れ物に触るように接し始め、誰もが自分を哀れみ、特別扱いするという孤独感をいつもコナーは感じていました。(訳者あとがきより転載)ある夜、怪物が家に現れます。それは、庭にいつもあったイチイの木でした。そのイチイの木との対話を通して彼が自分の心の闇と、もがき合いながら、向き合い、立ち向かっていく様が彼の心の成長とともに描かれている小説でした。一番悲しいときや辛いときでも自分で考えて解決していくしか方法がないんだという少年の気づきがこの小説のキーポイントだったような気がします。人はいつも矛盾と嘘を知っている中で生きているし、痛ましい真実の間で生きているけれど、すべてそれも自分であるということを認める覚悟や勇気の大切さを語っているような小説でした。ヤングアダルト向きの小説ですが、大人でも考えさせられることが多い本になっています。
物語の主人公コナーは13歳の男の子。彼は母さんと二人で小さな家に暮らしていました。コナーの母さんは、重い病気にかかっていることが1年前に分かり、そのころから学校の友達も先生もこの世の全員が、「重病の母親を持つかわいそうな子」として、まるで腫れ物に触るように接し始め、誰もが自分を哀れみ、特別扱いするという孤独感をいつもコナーは感じていました。(訳者あとがきより転載)ある夜、怪物が家に現れます。それは、庭にいつもあったイチイの木でした。そのイチイの木との対話を通して彼が自分の心の闇と、もがき合いながら、向き合い、立ち向かっていく様が彼の心の成長とともに描かれている小説でした。一番悲しいときや辛いときでも自分で考えて解決していくしか方法がないんだという少年の気づきがこの小説のキーポイントだったような気がします。人はいつも矛盾と嘘を知っている中で生きているし、痛ましい真実の間で生きているけれど、すべてそれも自分であるということを認める覚悟や勇気の大切さを語っているような小説でした。ヤングアダルト向きの小説ですが、大人でも考えさせられることが多い本になっています。