淳子のてっぺん 唯川恵 著 幻冬舎
昨年の10月に亡くなられた登山家田部井淳子さんをモデルに、彼女の人生を描いた長編評伝小説。山を愛し、山に登りたい、夢を叶えたいという強い意思と情熱を常に持ち続け、夢を叶えるべくひたすら頑張る田部井さんの姿がとても自然体で自分を持っている方だったのだなあと思いました。また、田部井さんを優しく温かく見守るご主人が器が大きい方というか固定観念に捕らわれないフェアな方であったことが彼女の山人生を支え続けて来られたということも痛く伝わってきました。田部井さんにとったら登攀時は山の頂のてっぺんを目指しておられるのですが、本当の心の拠り所である『てっぺん』は、家族がいるご自宅であったということと、そのお家に必ず帰るんだという強い信念と愛を持っておられたからこそ頑張れたということもよくわかりました。人と人とがお互い支え、支えられているという目に見えないけど本当は一番強い絆があったからこそ、辛い努力を積み重ねることもできるという生き方のお手本のようなものをそっと教えてくれるお話でもありました。最後のページにご主人と田部井さんが二人で話す箇所がありますが、「なぜ山に登るのか。」という問いに、「山に登るということはなぜ生きるのかということと同じで、なぜ生きるのかを知るために、人は生きる。なぜ山に登るのか知るために、山屋は登る」と書かれていました。人が常に永遠に追い求めているような深い意味がある言葉だと思います。長編でしたが、ほとんど通勤電車の中で読み終えた本でした。
昨年の10月に亡くなられた登山家田部井淳子さんをモデルに、彼女の人生を描いた長編評伝小説。山を愛し、山に登りたい、夢を叶えたいという強い意思と情熱を常に持ち続け、夢を叶えるべくひたすら頑張る田部井さんの姿がとても自然体で自分を持っている方だったのだなあと思いました。また、田部井さんを優しく温かく見守るご主人が器が大きい方というか固定観念に捕らわれないフェアな方であったことが彼女の山人生を支え続けて来られたということも痛く伝わってきました。田部井さんにとったら登攀時は山の頂のてっぺんを目指しておられるのですが、本当の心の拠り所である『てっぺん』は、家族がいるご自宅であったということと、そのお家に必ず帰るんだという強い信念と愛を持っておられたからこそ頑張れたということもよくわかりました。人と人とがお互い支え、支えられているという目に見えないけど本当は一番強い絆があったからこそ、辛い努力を積み重ねることもできるという生き方のお手本のようなものをそっと教えてくれるお話でもありました。最後のページにご主人と田部井さんが二人で話す箇所がありますが、「なぜ山に登るのか。」という問いに、「山に登るということはなぜ生きるのかということと同じで、なぜ生きるのかを知るために、人は生きる。なぜ山に登るのか知るために、山屋は登る」と書かれていました。人が常に永遠に追い求めているような深い意味がある言葉だと思います。長編でしたが、ほとんど通勤電車の中で読み終えた本でした。