レンタル店で借りて観賞した映画『星の子』の感想です。
『星の子』は芦田愛菜さん演じる中学3年生のちひろが主人公で、子供の頃、病弱だったちひろはお父さん(永瀬正敏さん)の会社の知り合いから教えてもらった水を利用したら、ちひろの病気が治ったということで、お母さん(原田知世さん)とともに、ちひろが大きくなっても、その水の恩恵を受けたと両親が信じていた怪しい宗教の儀式をいつも続けていました。そんな両親と一緒に生活しながらも、中学生としてのびのび育っていたちひろでした。中学3年生になったときに、ちひろ好みのイケメン教師(岡田将生さん)がちひろが通う中学校に着任してきます。ちひろは、イケメン教師に憧れていました。ある時、公園でちひろの両親があやしい宗教の儀式を行っていたのをイケメン教師に偶然見つけられ、それがちひろの両親という事実も知らず、ちひろのいる目の前で、偏見の言葉を発していました。イケメン教師は、ちひろの両親だったとちひろから告げられ知った後にも、ちひろを傷つける言葉を平気で発したりと、ちひろを傷つける教師あるまじき行為を平気で行うというシーンもありました。ちひろのへ偏見に満ちた悲しい思い、どんなことを想われたとしても、大切な両親とともに生きて行くという思い、中学3年生の思春期の微妙な思いが交錯しながら、ストーリーは進んで行きました。ちひろのいろいろな複雑な思いは、芦田愛菜さんの名演技により、観る人それぞれに、心に刺さるいろいろなものが何なのかを鮮明に具象化していました。ちひろがいつも感じていたり自らの目で見て来たことが、最後のシーンで星空の星を待つ両親とちひろの眼差しの方向が同じだったということ、今まで一緒に毎日暮らしてきた大切な両親の姿は誰がなんと語ろうともちひろ自身が感じてきたことそのものだったことに自ら気が付きます。ちひろ自身が感じた思いを信じて行こうとするその強い思いとその大切さとちひろの成長を描いていた作品だった気がします。