レンタル店で借りて観た映画過『おとなの事情』の感想です。イタリア映画のアカデミー受賞作のコメディ映画のリメイク映画の日本版で、世界中の18か国でリメイクされているそうです。スマホに届くメールや電話の内容を友人やパートナーたちにさらし合う夫婦3組と独身男性一人の人々の物語。年に1回集まることになっていた男女がスマホの中にそれぞれが人には言えないような秘密を持ちながら、嘘をついたり言い訳をしたりしながら修羅場と化して行く様がおもしろおかしく描かれていました。三組の夫婦は、それぞれスマホをさらし合ったおかげで、それぞれが夫婦間の未来が深刻になるほどのシビアな問題が発生していましたし、唯一独身の男性もみんなに隠していたことが知られてしまったりと大変な集まりになりました。この集まりは、だいぶん前に台風が襲ったときに洪水が起こり、必死に生きようと歌を歌い励ましあいながら助けを待っていた、当時は挨拶程度しか係わることがなかったようなご近所さん同士の集まりでした。今回、修羅場と化していた人々も、その当時のことを思い出しながら、今を生きている事実を実感して行くのでした。修羅場と化した集まりの最後のほうで、洪水で避難していた場所で唯一ひとつだけあったコーンビーフの缶詰を分け合って食べたときのことを思い出しながら、みんなで楽しそうにコーンビーフの缶詰を利用した料理を作りながら、今を生きている事実を確認し合うという終わり方でした。この集まりの後、大人の事情を超えてそれぞれがどう対処していけるかはまた困難な場合もありそうですが、今を生きているという事実に勝るものはないとそれぞれが確認できたことが最大のよい結果を齎していたということだったのかなあと解釈しながら見終えました。
DVDの映像特典に入っていた俳優さんたちのインタビューを最後に見ましたが、それぞれの演技をリアルに演じておられたときの裏話や役を演ずる上で工夫されたことなどを話されていて、俳優の皆さんの好演がこの映画をリアルで面白くしていたのだろうなあとよくわかりました。