レンタル店で借りて観たアニメ『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』の感想です。まること絵描きのお姉さんの心温まるお話。学校の授業で「めんこい仔馬」の歌を教わってこの歌をものすごく気に入ったまる子でしたが、授業で「わたしの好きな歌」の絵を書いて提出しないといけないことになり、この「めんこい仔馬」の絵を描くことにしたまる子は静岡駅の近くの道端で似顔絵を描いていたお姉さんに出会います。思うように絵を描けなかったまる子はお姉さんに相談してみようと再度お姉さんに会いに行き、このお姉さんの家に誘われ、親しくなります。「めんこい仔馬」の歌の歌詞を1番までしか知らなかったまる子なのですが、この歌の歌詞は5番まであって本当は悲しい歌なのよとお姉さんに教えてもらったり、お姉さんやその恋人の佐藤くんと水族館に行って、仲良くなって行くまる子とお姉さんでした。その後、まる子の描いた「めんこい仔馬」の絵がコンクールに入賞します。そのことをお姉さんに知らせようとまる子は再度お姉さんに会いに行くことになりました。お姉さんの恋人である佐藤くんは実家がある北海道に戻って牧場を継ぐことに決め、お姉さんに付いてきて欲しいと話していたのですが、お姉さんは絵を描いて出版社が多い東京で暮らして行きたいことを告げていたその場にまる子は居合わせることになり、まる子はお姉さんに叫びます。そのまる子が心の中から叫んだ言葉がとても心に響きました。
「佐藤くんはいつもお姉さんを見ていたよ。絵はどこでも描けるけど佐藤くんは一人しかいないんだよ。」という言葉でした。このアニメの中で、まる子は「忘れないよ。」とぽつりと言っていたシーンがありました。お姉さんがまる子に話してくれこと、まる子に優しく接してくれたこと、諸々の思い、まる子は忘れないと言っていたシーンがとても心に残りました。
ちびまる子ちゃんのアニメはたまにテレビで見ることがありますが、それほど見たこともなく、まる子の同級生や家族構成もこのアニメを観てよく掴めたというくらいのちびまる子ちゃんのほぼ初心者的な観賞のしかたでしたが、この映画の中で、挿入されていた「買い物ブギ」などいろいろな楽曲が出てきて楽しい演出になっていたのも見ごたえがあり、ほのぼのしみじみしていた映画だった気がします。スマホがないちょっと前の時代が背景のお話は郷愁感も漂っていて、懐かしい時代があったことを彷彿させるような素敵な映画でした。
昔仕事をしていたときにさくらももこさんのエッセイがものすごく人気があった理由が当時よくわからなかったのですが、この映画を観たらその人気の理由が今更ながらよく伝わってきてその人気の真髄を掴むことができた映画になりました。
おじいさんやまる子の句やところどころに入るツッコミに思わず笑ってしまうようなシーンも盛りだくさんでした。また、まる子の家にチューリップの絵の額が飾ってあったし、お姉さんの家にもチューリップの額が飾ってあったし、カーテン柄や座布団もチューリップ柄だったのを見つけたのが個人的にはもっと楽しめた映画になりました。オススメのいい映画でした。