東京総合車両センターは首都圏を走る新系列電車の全般検査を担う重要な車両基地です。
工場棟の橋渡しとしてトラバーサーが活躍していますが、検査中の車両は自走できませんので車両移動機に引っ張られて入線します。左奥にいる黄色いやつが車両移動機(通称アント)です。
それにしてものっぺらぼうな桁だこと。自分としてはリベットのない桁は物足りなく感じてしまいます。
E231系が中途半端な位置に停まっているのは車掌体験の出入り口の都合でしょうか?
集電装置や架空線の作りも他のトラバーサーと比べるとえらくシンプルに見えます。
櫓から出るケーブルが2本しかないので単相200V駆動かもしれません。操作室が見当たりませんな。
製造メーカーは日興工機で2010年5月製です。
主にクレーンを製造するメーカーで、このトラバーサーも天井クレーンの桁がベースのようでした。
操作はパトライトの下にあるタッチパネルで行ないます。そういえば東京総合車両センターでは走行実演はやりませんね。来場者が多いので見学者が通路を塞いでしまうのを懸念しているのかもしれません。
アント側から桁の内部を覗いてみました。(E231の貫通路はカバーが掛けてありボヤボヤ)
桁自体が箱型で強度を持たせたてあるため分厚く、外側のスティフナー(補鋼材)がありません。一方で高さの取れない横桁は間隔が狭く、フランジを広くしてニーブレース(傾斜補強材)も全ての桁に付きます。
メーカーのHPにはアントストッパー装置が付くと書いてありました。軌条内側の黄色い金具が怪しい…
工場内の線路は物を落としたり足を引っ掛けないように頭から下を埋めてあることが多いです。
p.s.
西唐津の転車台に「線路の小径」を追記しました。