つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ・福寿草

2009-03-12 12:13:29 | エッセイ

4~5年前から、毎年、気になって、小手指の福寿草を見に
行く。最初は、月に一度、狭山丘陵を歩くメンバーと行った
のだが、個人の畑一面に咲く福寿草に、心が一瞬、せつなく
なるような懐かしさを感じたのだ。
今迄、こんな見事に咲いた福寿草を見たことは無かった。だ
が、何処かで見たように感じたのは、里山の春の日差しや、
柔らかな土、その時出会った年配の主人との会話など、花は
違っていても、記憶の底にあった光景だったのかもしれない。

次の年訪ねると、手入れがされていない様子だったので不思
議に思い、その場に居あわせた人に問うと、「いろいろと事
情があるようで、今度は、市の管理になるそうです」という
ことだった。
 
次の春、又、夫と訪ねた。誰も居ない入り口には鍵が掛けら
れて中には入れなかったが、柵の中の福寿草は、何かに怒っ
てでもいるような凄さで、黄金色の花が、満開をを迎えてい
た。


先日再度訪ねると、市の管理で整備も終わり、中には自由に
入れるのだが、何か変わった風景になっていた。
以前は、満開の梅の古木の足元に、自然な姿で咲いていた福
寿草が、今は真直ぐ、何列も、畑の作物の様に、人工的に植
えられている。株も少なくなっている。

何かが違う、そんな思いで帰ってきた。
あの時に感じた、懐かしい里山の福寿草は、春の日の夢だっ
たのだろうか。


 

 

 

 

 

 

 

 

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