つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ ふくれっ面

2018-11-10 19:16:27 | エッセイ

 エッセイ ふくれっ面  課題 【泣く・笑う・いつもの顔】2016年10月28日

 朝、寝起きが悪い。小さなことが気になる。
夫は仕事がらみの案内状を、行く気がないのにとって置く。
開けていない封書がテーブルや、座ろうとした椅子に置いてあるとイライラする。

「これ、もう捨ててもいい?」
「まだいいじゃないか、どこに置いても」。

テレビで日課の経済ニュースを見る。
私も前は一緒に見ていたが、最近つまらなくなった

新聞を読み始めたから、「他にチャンネルを回していい」と聞くと、「まだ見ている」と言う。
この辺で我慢のおが切れそうになる。
多分頬がプーと膨れている筈だ。
これから会社に行って働いてくれる人だから、きちんと送り出そうと心掛けている、だから言いたいことを我慢する。

ごみを整理するふりをして離れた。
乗っていく自転車を通りに出し、靴を揃える。
この後は「行ってらっしゃい」と送り出せば朝の役目は終わる。

今朝はもう顔を合わせたくない、外の掃除を始める。
植木に絡んだ落ち葉をゆっくりとったり、草を抜いたりしていると此方に寄ってきて「行ってきます」と言う。
顔を見ないで、小さく「行ってらっしゃい」と言った。

出かけた後を見ると、食器は流しに、椅子もきちんと戻している。多少私の不機嫌に気付いたようだ。

昼、電話があった。
「これから名古屋に行ってくる、少し遅くなる」と言う。
予定では明日の筈だ。お金は持っているのだろうか。
聞くと「少しあるけど泊まりになったらきつい」と言う。思わず「届けようか」と言った。
「そうしてくれるとありがたい」。
駅の改札口で待ち合わせをする。
急いで身支度をしてバスに乗った。

改札口で待っていた夫はにやりとした。負けの笑いだ。
私はすっかり、今朝のふくれっ面のけりがついた。

  先生の講評・・・     朝の出勤前の夫婦の一瞬、目に見えるようだ。
                 事物だけではなく心理も微細に描いている。

  つつじのつぶやき・・・ 2年前の作品です。
                 相変わらずこんな朝を過ごしています。

 

コメント
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