つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 落葉(2)

2019-09-06 09:46:25 | エッセイ

エッセイ 落葉(2)【秋・自由課題】  2011・10・14

 つつじのつぶやき・・
          長雨や突然の大雨、9月は油断できませんね。
          私の大好きな狭山丘陵、これから秋を感じに出かけますよ。


 

東京都と埼玉県にまたがる狭山丘陵は、民家に近い里山として、昔から生活に深くかかわっている。
今は深い森に覆われている谷戸も、人の手で丹念に作られた田んぼだった。
歩いていると、こんな山奥の方まで開墾したのだろうかと、小さな石積みに、稲作に生きた生活がしのばれる。
そして
、なくてはならない日々の燃料として、楢やクヌギの雑木林も多く残っている。

 

私は、四季の変化が楽しめる散策に、友人たちとよく出かける。
春には芽吹きの初々しさ、夏は太陽を遮る深い緑、秋の黄色に染まった木々には思わず声をあげる。
冬になると、葉を落とした林の中は、柔らかい日差しがさし込んで明るい。
木枯らしが吹くような時でも、足元の落ち葉は暖かく、小鳥や小動物、虫たちの寝床にもなるという。
その落ち葉は木々を育み、ドングリなどが実り、生きものの食べ物になる。

 

友人は、道端に落ちている葉っぱを裏返して「この葉っぱは、ヒノキかサワラか?」などとクイズを出す。
「これはサワラ」
「どうして」
「白い葉脈が×印で連続している、さわらない」と腕を交差する。
「ヒノキは」
「ヒノキは、ローマ字のYがつながっているので、ヒノキだわい」と散策が続く。

 

時々、無残な杉林に出会うことがある。密集して植えられた木が倒れ、その下の土がえぐり取られ、赤土がむき出しになっている。
枝打ちや間引きがされず、葉を落とさない常緑樹は、日が差さず、暗くてじめじめし、小鳥の声も聞こえない。

 

大きな山崩れが起きないうちに、もう必要のない杉林などの植林を控えて、自然の森に戻し、生きものや植物たちと棲み分ける時が来たのだと思う。



 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする