つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 光と影

2020-09-08 12:46:47 | 楽しい仲間
               エッセイ 光と影    課題 【光と影】 2020.7.31 
             (A)~
            珍しく電話が鳴った。毎月会っているサークルの友人からだ。
            お互いに閉じこもりの生活をしていたから電話も掛けなかったが、久々の明るい声は嬉しい。
            「最近買った本なんだけど、読んだら良かったから、どう」と言う。            
            読みたいと言うと、これから届ける、家には上がらないですぐ帰る、何ならポストに入れて置くと気を遣う。
            自転車に乗って、マスク姿の友人が来た。
            私も慌てて、マスクを取りに家に入る。            
            自宅でマスクをするのは変な感じだ。
            「つつじが真っ盛りよ、見て」と、濡れ縁に並んで座る。           
            密を避けるから、一メートル空けて前を向いて話すことにする。
            ここ三カ月余り会っていないが、話題は毎日伝えられるコロナ禍のニュースばかりだ。            
            気が付くと、顔を見合わせて段々距離が近くなっている。
            次の機会は背中合わせに座らないといけない。
            彼女は二月の里山歩きの時、近くても電車やバスに乗る。            
            他の人の迷惑になるからと欠席を言ってきた。            
            未だそれ程深刻な時期ではなかったが、それを聞いて会を中止した。
            真っすぐで、しっかりしたヨガの先生だ。
            (B)~
            第ニ波なのか、新規の感染者が増えた。
            夜の町で働く人の感染が多い。
            都会は部屋代も高い、貯えもなく、ローンを抱えている人もいるだろう。
            お酒の席は接触も多いが、危ないと分かっていても、働かないと生活が成り立たない。
            歌舞伎町に勤める女性が、テレビのインタビューを受けていた。
            お金がないから働かなければならない。
            もう貯金も無い。
            請求書が何枚も溜まっていると、かざして見せる。
            「水道代でしょう、スマホ、税金や年金なんか大分溜まっている、だから歌舞伎町」
            そうか、そうなのだ。
            私が毎月貰っている年金は、若い人が払ってくれているお蔭なのだ。
            そして、もし、コロナに感染した時には、若い人にお世話になる、支えられているのだ。
            心を引き締めなければと再び思う。

              先生の講評・・・・・影の存在(B)が光の存在を浮き立たせる。
                             社会の底辺に思いが至る瞬間だ。
                             光の中に映りこむ影は共振する。
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