つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
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日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ お神籤

2020-07-13 19:44:31 | 楽しい仲間
エッセイ お神籤 【春・自由課題】   2013・4・12

一寸した用事の帰り、浅草に行った。
伝通院の桜が、満開をむかえて、参道に花びらを落としている。
真っ赤な提灯に「雷門」と書かれた門をくぐると相変わらず観光客が多く、仲見世通りは人があふれている。
土産物屋に入っている人は少ないが、人形焼の店や、ぬれせんべいなどの食べ物屋には人だかりがしている。
土産を買うというより、歩きながら何か口に入れたいという事のようだ。
土産物屋を横目で追いながら歩いていくと、仁王門が待っている。
くぐった裏には、大きな草鞋が吊るされている。
こんな大きな草鞋を履く仁王様が守っているのだとの象徴だそうだ。
そこに立つと、最近もう一つの目玉が増えた。
東京スカイツリーが間近に見え、それに気づいた人は歓声を上げている。
広い境内に入ると、ひと時、流れが止まる。
お水舎で手を清め、本堂の階段に向かう人。
大香炉の周りで、線香の煙を体の一部に浴びながら、ご利益をお願いする人。
見ていると初めは真剣に、そして半分冗談のような仕草をして離れるのが面白い。
浅草寺や五重の塔を背景に、記念写真を撮る人も多い。
いろんな年代の人や、外国からの人がそれぞれの言葉を交わす。
中でもお御籤の所はいつも人が沢山いる。
私は、最近お御籤をひかなくなった。
過去のことや、これからの運勢を占っても仕方がないと思うようになって久しい。

友人のお姑さんは、大きな病院の婦長を長いこと務めて、肝が据わった人だったそうだ。
家族で旅行をした時、神社仏閣の見学やお詣りは端折り、お御籤も興味を示さない。
「古いものを見たってしょうがない、罰が当たるなんて迷信,迷信よ」
そのくせ、お土産物屋に入ると、目はぱっちり、生き生きとして、欲しい物は何でも買ってくれたそうだ。
その話をきいて、私も小さな肝が据わってきたのかな、と、時々思う、けど。

  先生の講評……風景を点描し、婦長のエピソードで色を染める。
            やはり人間の心がないと風景が淋しい。
            行替えが多すぎる。
   つつじのつぶやき・・・‥コロナ禍なんて無かった頃の浅草風景です。


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