NHKBSで、30年以上前の映画、「幸せの黄色いハンカチ」を見た。
高倉健主演で何度も演技賞をもらった作品だ。
映画館では見なかったが、テレビでは何度か見た。ただ途中のコマーシャ
ルで細切れになり、気になるシーンがいくつかあった。今回、ノーカットで、
最初から見たのは初めてだった。
夕張の炭鉱で働く男が、やっと見つけた幸せの中、妻の流産を受け止めら
れなく、夜の街で喧嘩をして人を殺した。網走刑務所に収監されていたが
、刑期を終えて出所したところから始まる。
刑務所の門を出た男は、町の食堂で、かつ丼とラーメンを注文する。
そして恐る恐る「ビールも」と。コップに注いだ泡を慈しむように両手で包む。
見ていて、思わずのど越しを感じた。高倉健はこの場面を撮るのに、2日間、
何も食べないで臨んだという。
※ この4行はいい表現とのコメント。
物語は、別れた妻に、もしまだ待っていてくれるなら、家の前のこいのぼりの
竿の先に、黄色いハンカチの目印をつけていてほしいと、ハガキを出す。
別のシーンでは、赤い車に乗った調子のいい若い男が、一人旅の女の子を、
何とか恋人にしようとちょっかいをだす。この3人が、その先の旅を続ける。
※ 2行(A)の場面
私は、3人がどのように出会って旅をしたのか、疑問に思っていたが、少しだ
け仲良くなった若い二人が、砂浜にいた男に、シャッターを押してほしいと頼
んだからと分かった。前半の場面は見てなかったようだ。
途中の検問で、男が人を殺して刑務所帰りだったことが分かるが、若い二人
は、帰ることを迷い、ためらう男を励まし、夕張に連れて行く。
※ 2行(B)の場面
そして丘の上の軒先に、沢山の黄色のハンカチがはためいているのを見る。
真っ青な空、古い炭鉱住宅、物干し竿から洗濯物を取り込んでいる妻、何気
ない日常の風景に溶け込んでいく男、見終わって、ずしんと心が熱くなった。
そして高倉健が、高倉健がものすごくよかった。
課題【光・影】
講評 映画のストーリー紹介に終わらせず、「自分」を適宜
挟み込んでいるあん配がよい。
強いていえば(A)、(B)にも「自分」を入れたい。
名前の繰り返しが微笑ましい、対象への「愛」を感じさせる。
月2回、カルチャーセンターで、エッセイを書く講座に参加しています。
先生は演劇評論家の山本健二先生、私にはもったいないくらいの先生、
有難いことです。精進しなくては。
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四季の素材 十五夜 さんのイラスト です。
夏 メダカ