エッセイ 東京ジャーミー 課題【冬・自由課題】2020.1.10
小田急線代々木上原の東京ジャーミィに行った。
グループの一人が以前行ったことがあり、一見の価値があるというので、今年最後の街歩きになった。
駅近くの井之頭通りに建つトルコ系のモスクは変わった建物なのですぐに分かった。
礼拝場に直接入るのには白い大理石の急な階段を上るが、濡れた踏み石がつるつるで滑りそうだ。
玄関前の広場で、女性は髪をスカーフ等で覆う。
イスラムの教えに公共の場で女性の美しさを家族以外には見せないという。
それぞれが、首に巻いていたスカーフを頭に被ろうとするが、強い風に煽られてうまくいかない。
「真知子巻き」がいいと皆でやり直す。
「こんなことは子供の時のお姫様ごっこ以来ね」、「風呂敷を被ったわね」等、神聖な所に入っていくというのに少し軽薄かな。
靴を脱いでトルコ系のモスクに入る。
思った以上に大きな丸天井とシャンデリア、ステンドグラスが華やかに色どられ、壁に、アラビア語でコーランの教えや、チューリップ等の植物の絵が沢山描かれている。
前に入った高校生の集団に、日本人の信者が説明をしている。
後ろについて話を聞いた。
正面のアーチ型のくぼみが聖地であるメッカの方角だという「ミフラーブ」。
そこに向かって一日五回お祈りをする。
イスラム教徒は偶像に向かって祈るのではないそうだ。
私は本物の礼拝を見たことはないが、額を床に擦り付ける姿はオーバーな様に感じていた。
だが、日本でも昔、両手を床に着き額を付けたお辞儀はしていた。
言われてみれば成程と思う。
礼拝は精神の栄養、食事は肉体の栄養だと聞かされ、これも納得した。
急な螺旋階段を上って、女性信者の祈りの場所を見た。
狭い。行動も規制された狭い世界に生きる女性を見るようだ。
珍しい文様に違和感がないのは、昔から絨毯や織物を見てきたからなのか、懐かしい気すらした。
壁の一部に描かれた茶色の文様は、若い頃、巻きスカートを作った更紗の模様に似ていた。
先生の講評 ・・・
一風変わった東京ウオッチング。
素直な感情がでている。