四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

メスグロヒョウモン・ウラギンヒョウモン・ミドリヒョウモン

2016-06-08 19:49:00 | 
5月下旬から相模原や町田にヒョウモン類が現れたのでご紹介します。

5月26日

ノアザミの咲く草地でヒョウモン類がしきりに飛んでおり、しばらく待っていると、12時過ぎにようやく着地しました。メスグロヒョウモンの♂でした。
この日が初見。これは今までで一番早い記録になりました。






ノアザミとメスグロヒョウモン♂ 


6月2日

ノアザミのところに一瞬現れたので、近づくとウラギンヒョウモン♂でした。すでに翅の一部に欠けが見られていたので、出現時期はもう少し前と思われます。
この日が初見で、昨年と同じでした。


ノアザミとウラギンヒョウモン♂


6月3日
アカツメクサのところでメスグロヒョウモン♂が吸蜜していました。
アカツメクサでのヒョウモン類の吸蜜姿は初めて見るような気がします。


アカツメクサとメスグロヒョウモン♂


アカタテハも来ていました。


アカツメクサとアカタテハ


クリのところに立ち寄ると、ミドリヒョウモンが吸蜜したり小飛したりしていました。この日が初見で昨年(5月27日)より少し遅めでした。


クリとミドリヒョウモン♂

この日はOLYMPASのTG-4での撮影だったので、接近できたメスグロヒョウモン♂以外は小さめになってしまいました。

6月8日

ノアザミのところに短時間、ミドリヒョウモン♂が訪れました。


ミドリヒョウモン♂とベニシジミ


ミドリヒョウモン♂ 同一個体

後翅裏面が緑系というよりも橙色系ですね。


近くでヒメアカタテハが長いことノアザミの上で休憩。そののち、眼が覚めたのか猛スピードで旋回し、吸蜜を始めました。今までの2011年以降の一番早い初見は、2011/6/19でしたから、自身の記録を11日も更新しました。


ヒメアカタテハ



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雑木林のゼフィルス観察

2016-05-30 16:56:00 | 
このあたり(相模原・南多摩)の雑木林では、平地産ゼフィルスが軒並み例年より早く登場し、2012年観察開始以来の初見記録を更新しました。

アカシジミ


5月15日 相模原市(初見)


5月18日 ガマズミで吸蜜 八王子市


5月18日 町田市

2012~2016年の初見記録:5/30, 5/26, 5/29, 5/20, 5/15
昨年の記録を5日も更新しています。


ウラナミアカシジミ


5月22日 相模原市(初見)


5月25日 町田市


同上

5月25日朝、風が強く、羽化したばかりと思われる新鮮な個体が林縁の低木にたくさん下りて葉にしがみついていました。

2012~2016年の初見記録:6/7, 6/2, 5/29, 5/25, 5/22
観察日のタイミングもあるのでしょうが、年々記録更新しています。

クリは、一番早く咲く樹で、5月18日に開花しました。それ以降アカ・ウラナミアカがクリ付近に多数集まっていますが、毎年撮影しているので、今年はクリのところであまり撮影していません。




この写真は、ケヤキの大木の下にあるイヌツゲに、アカシジミ、ウラナミアカシジミが集まっている様子です(各各8頭、5頭もいました)。
日差しを避け、イヌツゲに止まって涼んでいるように見えました。

昨年からウラナミアカシジミの数が急増し、全体としてはアカシジミと同等、あるいは少し多めになっています。


ミズイロオナガシジミ


5月25日 町田市(初見)

近くの雑木林では昨年数が減少し、今年は1頭も見られませんでした。絶滅したのかと心配しています。

2012~2016年の初見記録:6/4, 5/29, 6/2, 6/1, 5/25


ウラゴマダラシジミ


5月19日 相模原市(初見)

近くの雑木林で、今までとは異なる場所で見付けました。すでに翅に欠けがあるので、発生はもう少し前のことだと思われます。

2012~2016年の初見記録:6/4, -, 6/4, 5/30, 5/19

ミドリシジミ、オオミドリシジミのポイントには出かけていないので、観察できていません。
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4月下旬の蝶たち

2016-05-03 11:03:00 | 
4月25日

相模川流域を歩きました。一面に広がるレンゲ畑、昔懐かしい風景です。そこへ、先ほど挨拶したご婦人二人が現れ、話をしていると、セリを一袋いただいてしまいました。有難うございました。


レンゲ畑


土手のススキ付近で偶然ギンイチモンジセセリを見付けました。


ギンイチモンジセセリ(本年初見)


4月26日

夏日の予想で、涼しさを求めて低山の谷あいに出かけました。地面にテングチョウと一緒に飛ぶサカハチチョウに出会いました。


サカハチチョウ(初見)

別の場所に移動。草地斜面で見たサカハチチョウです。訪花シーンは見られず残念。


草地のサカハチチョウ

ウスバシロチョウは、飛翔したり、木の枝先で休憩したりしていました。羽化後間もないのか動きが緩慢でした。


ウスバシロチョウ(初撮影)


ツマキチョウも現れ、姿勢を変え吸蜜に没頭していました。♂が延々と飛び回るシーンは何度も見ていましたが、初撮影です。


ツマキチョウ♀(初撮影)

4月29日

相模川流域へ。こちらではウスバシロチョウが多数出現しており、草地を循環飛翔していました。食草探索中のキアゲハにウスバシロの♂がアタックし、くじけるとストンと落ちて草むらの中でもがくところを2度目撃しました。どういう事情でそうなるのか、不思議な光景でした。


キアゲハ
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フラッシュに反応して開翅するムラサキシジミ

2016-02-23 11:49:00 | 
2月19日

12時前に谷戸に到着すると、キタテハ2頭が棚状の休耕田でテリ張りと争いを続けていました。


写真1 キタテハ♂

モンキチョウ♂は、谷戸の入り口から奥にかけて100~200m往復して飛翔を続け、キタテハとの三つ巴合戦を繰り返していました。途中、オオイヌノフグリに舞い降り吸蜜するところをやっと撮影でしました。


写真2 モンキチョウ♂

昼過ぎに、モンキチョウ♀が現れ、しばらくして♂が追いかけ、♀交尾拒否の後上空への求愛飛翔になり見失いました。それとは別に、農道の土の上で元気がなくほとんど飛べない♀を見つけました。羽化不全ではなく、また外傷はないようでした。


写真3 元気がないモンキチョウ♀

モンキチョウは、初見です。♀が複数出現していることから、♂の出現はもう少し前だったと思いますが、数が少ないです。斜面草地が広く枯れており、除草剤が散布され少ない可能性もあるのではと、ここで出会った蝶友が推測していました。

13時過ぎにキタキチョウ♀が現れ、カントウタンポポで吸蜜しましたが、すぐに休眠場所探しを始めました。


写真4 吸蜜中のキタキチョウ♀


写真5 枯れ草の陰に入ったキタキチョウ♀(同一個体) 13:26撮影

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フラッシュに反応して開翅するムラサキシジミ
本題に入る前に、ツバキ実殻にて越冬中のムラサキシジミを日にち順に並べてみました。越冬中も場所の入れ替わりが活発に見られました。

2015年12月24日
♀が日光浴ののち、実殻の1頭に合流し2頭になりました。


写真6 ムラサキシジミ2頭 向き:↑(小)↑(大)

2月9日

写真7 ムラサキシジミ2頭 向き:↑(大)↑(小)

2月17日

写真8 ムラサキシジミ3頭 向き:↓(小)↑(大)↑(大)

1頭増え、場所の入れ替わりが見られました。2月13,14日に最高気温20℃以上を記録したことも影響しているでしょうか。

2月21日

写真9 ムラサキシジミ3頭 向き:↑(大)↑(小)↓(大) 11:50撮影

同じく3頭ですが、場所と向きが入れ替わっていました。

日陰のため、毎回フラッシュ撮影しました。11時50分の段階では2度とも無反応でしたが、13時以降6回撮影したうち、4回は反応して大きく開翅しました(1度は無反応、もう1度は少し開く程度)。

過去にムラサキシジミがフラッシュに反応して少し開翅する場面は2回ほど観察したことがありました(⇒2014年10月の観察例)。ムラサキシジミがフラッシュに反応して全開する場面や越冬中の個体での観察は初めてのことでした。

次の写真では、開く前の別の個体やツバキの葉柄が透けたように写っています。シャッターが開いて直ぐに発光させる設定なので(先幕発光(サキマクハッコウ))、発光して即座に反応して翅が開き始め、シャッターが閉じるまでの間の翅の動きが写ったと思われます。


写真10 フラッシュに反応して開翅(1) 13:37 SS=1/80(秒)、先幕発光


写真11 フラッシュに反応して開翅(2) 13:40 SS=1/125(秒)、先幕発光

開翅してくれたので、一番上の個体が♀であることが分かりました!

撮影時刻と反応の有無について

11:50   無反応
13:12.29 反応
13.12.58 少し反応
13:37   反応、反応
13:39.38 無反応
13:40.42 反応

13時12分台の2回のようにフラッシュ撮影の時間間隔が短いと反応が鈍るようにも見えます。一方、13時37分からの4回を見ると、そのうち3回は反応(13時37分台では2回とも反応)していました。現時点ではフラッシュの連続で反応が鈍るのかどうか明確な結論は導き出せない感じです。

過去、12月24日、2月9日、17日にも毎回フラッシュ撮影でしたが、今回のような反応は初めてでした。フラッシュ光とムラサキシジミの眼の位置関係やその日の気温、個体による光応答性の差などの条件が反応の有無に関わっているのでしょうか。

フラッシュに反応し少し開翅した写真も載せておきます。


写真12 フラッシュに反応し少し開翅 13:12.58

使用カメラ:Panasonic DMC-FZ1000

付録
閃光が発せられてからムラサキシジミが開翅して画像が記録されるまでの出来事は、約0.01秒以内に起こっています。陸上100mのスタート時の反応時間が0.1秒以上になる(0.1秒以内に動くとフライイングと判定)のに比べて、ムラサキシジミの反応時間は1桁以上速いですね。小畦川日記のダンダラさんが言われるように、ムラサキシジミの反射神経の見事さには驚くしかないですね。

付録2 先幕発光について(2月24日記)
一眼レフカメラでは、撮像素子の直前にフォーカルプレーンシャッターが設置されています。シャッターをきると、先幕が開いてシャッター全開になった時点でフラッシュが発光し、設定シャッター・スピードに合わせて後幕(アトマク)が閉じる動きをします。分かりやすい動画があったのでご紹介します⇒一眼レフのシャッターとフラッシュの関係
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ウラギンヒョウモン

2015-06-17 11:31:00 | 
♪ウラギンヒョウモン

ウラギンヒョウモンは、夏の高原に行けばどこにでもいますが、普段歩いている低標高地では稀にしか見られません。

今年は幸先良く6月1日に新鮮な♂を撮影しました。


ノアザミとウラギンヒョウモン♂(6月1日)


同一個体

翌日、別の場所で♀を見付けました。発生時期にマイフィールドで♀を観察したのは初めてのことでした。


ノアザミとウラギンヒョウモン♀(6月2日)


同一個体

ウラギンヒョウモンの雌雄は、前翅表の翅脈に沿った2本の性標の有無で判別可能です。

※ウラギンヒョウモン観察場所については申し訳ありませんが伏せさせていただきます。

6月4日


クロアゲハ♀

第2化でしょうか。新鮮な個体でした。


ムシトリナデシコとヒオドシチョウ

今年はヒオドシチョウの訪花をよく見かけます。
ムシトリナデシコはヨーロッパ原産のナデシコ科の越年草。


ヒメジョオンとヒオドシチョウ

ヒオドシチョウといえば、クヌギやコナラの樹液酒場で見るシーンを思い浮かべるのですが、どこにでも生えるヒメジョオンやムシトリナデシコにも訪花するとは意外でした。

6月15日

標高約300mの山頂では、キアゲハが旋廻し、見晴らしの良い草の先端や蔓の上に陣取り縄張りを主張していました。♂のテリ張り(占有行動)ですね。


占有行動中のキアゲハ♂

他の蝶が来ると飛びたち争います。
ツマグロヒョウモン♂もやってきて、少し離れた場所でテリ張りを始めました。


占有行動中のツマグロヒョウモン♂

しばらくすると♀が飛来しました。すぐに♂が空中で追い掛け、2頭一緒に近くの葉の上に静止。見ると交尾が成立していました。


ツマグロヒョウモン♀(左)と♂

♂が山の頂に飛来し(Hilltopping)、占有行動する代表的な蝶としては、キアゲハ、ヒオドシチョウ、ツマグロヒョウモンがよく知られています。それは♀を待機するためですが、こんなにタイミングよく交尾に至るのを見たのも初めてのことでした。
♀も♂との出会いを期待して山頂を目指すということですね。

自宅付近は真夏日でしたが、涼しい風が吹き渡り快適でした。

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