四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

神谷町のイチョウ並木(その2)

2005-12-06 21:33:00 | 神谷町・東京
イチョウ並木で1本おきに黄葉しているのとしていないのはなぜなのか。
それは造園業者が雄株と雌株とを仲良く交互に植えたからではないか?と思い、調べてみたところ、雌雄は、枝の広がり方が違う。雄株は枝が縦に伸びるが、雌は枝が広がるとのことです。
「そういえば、近くの稲荷神社に銀杏(ぎんなん)がたくさん落ちていたな、神社に植えられているのは雌の木だ」と思い行って見たら、やはりそのイチョウは柿の木のように広く枝を広げていました。



今までイチョウの枝の広がりなど気にしたことはありませんでしたが、神社のイチョウは縦に枝を伸ばしている街路樹のイチョウとはまったく異なった風情です。
昔は種からイチョウを育てたそうですが、最近では銀杏の臭いが嫌われて、街路樹には挿し木から生長した雄だけが植えられているそうです。黄葉の早い・遅いはあっても神谷町のイチョウ並木はみんな雄の木です。
植木屋さんは耐寒性の異なる苗を交互に植えたのでしょうか。黄葉の時期に色とりどりになるという配色を考えたのか、これから地球温暖期や冷涼期のどちらが来てもどちらかが生き延びるように交互に植えてみたのか。二人の植木屋さんが生産地の異なる株を交互に植えてみたのか。単なる個体差か・・・
神社の雌の木はもうほとんど散っています。雌株はどの雄株よりも早く冬篭りをしているようです。
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アゲハのこと(その2)

2005-12-04 19:45:00 | 
アゲハは身近なミカン科の木で育ち、きれいなので好きな方が多い。合唱仲間のHさんもその一人で、愛情をもってアゲハに接しておられ、折にふれてアゲハの様子を知らせてくれます。
「我が家のあげは、今年は無事に3匹羽化しました。このところ、頻繁にグレープフルーツの木のまわりを飛んでいます。いかにも、何かを懐かしんでいる?みたいに・・・」(7月上旬)
「我が家のあげは、先日今年最後のさなぎが空になっていて、本格的な冬の前に越冬場所を見つけてくれたこと思います」(11月上旬)

蝶は種類によって、卵、幼虫、サナギ、成虫(蝶の形)のどの状態で越冬するのか決まっています。そこで、アゲハはサナギで越冬します。すると、今の時期にサナギが空になったのは、鳥か何者かに捕食された可能性もあるのではないでしょうか。
そのようにお伝えすると、Hさんは捕食者としてはカマキリが怪しいと思われたようでしたが、「今年はカマキリは来なかったようです」とのことでした。
千葉県南部での観察では、アゲハは9月中旬~10月上旬に4回目の羽化が見られ、年によっては10月中旬~11月上旬に5回目の羽化が見られるそうです。蝶は新天地を求めるため、羽化のたびに北へ移動する習性のものもあり、冷涼な地方まできてしまった秋のチョウはそのまま全滅することもあります。

11月の上旬のことですから、もしかしたら、Hさん宅のサナギも羽化してしまったのかもしれません。しかし、秋遅くに羽化という試みをしてしまった蝶、次の世代のサナギにまで到達できないと死に絶えてしまいます。
どこかで今、無事にサナギのまま過ごしている個体は、じっと冬を耐え、来年の春に羽化します。そしてまたグレープフルーツの木を懐かしそうに訪問し美しい姿を見せるでしょう。

※アゲハは、年に3,4世代を繰り返します(蝶の一生)。

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神谷町のイチョウ並木

2005-12-03 10:22:00 | 神谷町・東京
何日か前のテレビで、イチョウの黄葉宣言の話をしていたので調べたら、東京都心では11月22日に黄葉宣言が出たそうです。
秋も深まって、最低気温が5度近くになると紅葉(黄葉)が始まります。では、どうしてイチョウは黄色くなるのでしょうか。
葉では葉緑素の力で、太陽の光と空気中の二酸化炭素を吸収して糖分が光合成され、それが葉柄を通って幹のほうに移動し蓄えられていきます。寒くなるとその移動がスムーズにいかなくなるので、葉に糖分が残り葉の成分バランスが崩れるそうです。すると葉緑素が分解され、葉に残っているカロチノイドの色が目立つようになりイチョウは黄色く色付きます。



写真は、11月29日にオフィスのあるビルの21階から神谷町交差点方面を眺めたものです。道路沿いにイチョウ並木がありますが、奥の方に7本並んだイチョウを見ると、手前から黄色、緑色、黄色、緑色・・・と交互に黄葉したものとしていないものがあります。それはどうしてでしょうか?
イチョウはきっと同じ時期に植えられたものでしょう。背の高さも揃っているので、樹齢による差ではなさそうです。すると、ビルの関係で日当たりが1本おきに良かったり悪かったりしていたのでしょうか。見た限りでは、どれにも平等に陽が当たっているようで、日照のせいでもなさそうです。では、一本本おきに肥料を施したのでしょうか。Fさんは「一本おきに犬が立ち寄ったんじゃないか」と冗談を飛ばしていましたが不思議です。
確かに人でも、人種によって寒さへの適応力に差があります。同じ日本人でも、冬に生まれた人には冬が好きだという人もいるようです。イチョウも、遺伝的な要素や苗として育った地方の気候などによって耐寒性が異なり、それが黄葉の早い・遅いの差になって現れているのかもしれません。それがちょうど一本おきに並ぶとはすごい偶然です。
さらに色々なところを歩いてよく見ていると、鮮やかに明るい黄色もあれば、オレンジ系のもの、褐色系のものと色とりどりです。
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