おもしろかったのが、アメリカの老人たちはいわゆる「実用の学問」を好まないのだという
「定年からの人生 日本とアメリカ」袖井孝子著 朝日文庫
「定年からの人生 日本とアメリカ」袖井孝子著 朝日文庫を買った。そうである。またまた中古本チェーンである。108円。毎日、この中古本チェーンに行くのが日課になっている。楽しみで行っている。なぜか。買うと自分のものになるからだ。つまり、本に書き込みをすることができるからだ。借りるとそれができない。それに108円ならいかに私がささやかな年金暮らしであっても、生活できないほどではないからだ。
この本、そこらへんにあるハウツー本ではない。
副題にもあるように、定年からの生き方でもって、日米比較を扱っている好著である。
気に入った。それに、なかなかユーモアに富んでいる。お茶の水女子大学の教授であった著者であるから中身が堅くておもしろくないのかなぁと思っていたらそんなことはなかった。
著者は、老年学の専門家でもあった。だから年の取り方を扱っておられる。これはこれは。なかなかである。なにがなかなかだというと、日米の老人たちの考え方が違うからである。
日本にばかりいると、せせこましくなる。あるいは、「ジイジは・・・しなければならぬ」という固定観念に縛られる。そいつは危険であるということを学ぶことができる。
例えば服装。
アメリカの老人たちは、リタイアすると派手になる。赤、青、黄、水色とかのカラフルなシャツを着ている。まるでcircusのようになる。もっとも、これは若い時からそうか。
日本の老人たちは、薄い色を好む。ジイジはジイジらしくしておれというワケだ。クルマにしても、日本人は目立たないようにという固定観念から無難な色のクルマしか買わない。
実は、去年から乗っているcx5という愛車も真っ赤な色が欲しかったのだ。私は。それが古女房ドノの反対にあって、黒に近いグレーにされてしまった。ジイジになって、色基地外になったと言われたらお仕舞いでしょ!とのたもうたのである。
真っ赤な嘘話ではない。マジにそうだったのである。
シャツも真っ赤なのを着て、たまには出かけてみたい。東京あたりの劇場へ行ってみたい。能楽堂にもかなり行っているけど、そういう服装でもって彷徨してみたい。
ところがだ。無難なように、無難なようにしか私の服装は動かない。なんでか。財布を握っているのは、古女房ドノだからである(^0^)。
ま、どうでもいいような話である。
しかし、この本、なかなかである。服装にしてもそうだし、なにしろ生涯学習の日米比較が書かれているからだ。アメリカの大学も少子化の波をモロに受けて、大学の受験生が減っている。一部のエリート大学を除いては経営不安がある。だから私のようにリタイアして暇になっている老人たちに目をつけたという。そのあたりは日本の私立大学と一緒である。私もおおいにそれを利用させていただいた。アメリカもそうで、放送大学みたいなものもけっこうあるのだそうだ。
ここからがおもしろかったのだが、アメリカの老人たちはいわゆる「実用の学問」を好まないのだという。むしろ、哲学・文学というような人文科学系を学ぶのだそうだ。「自転車の修理法」というような講座を老人向けの大学で開設したら、たちまちのうちに閉鎖に追い込まれてしまったというから、ある意味そりゃ当然だろうと思った。私だってそんなのは受けない。
今更、法学部とか経済学部とかいわゆる使える実用的な学問をやってもしょうがない(そういう学部を出た方、申し訳ない=別に他意はありませんので、悪しからず)。就職できないからである。就職する気持ちもまったくない。
これからは、「死ぬときに後悔しないための学問」をやっていきたいからである。マジに。死ぬときに、あれやっておけば良かったとか、これを読んで見たかった、こういうことにチャレンジしておけば良かったと思いたくないからだ。
さらにおもしろかったのが、名刺の活用であった。
リチャード・B・フィンというアメリカ国務省の日本部長をつとめたやはりリタイア組の名刺である。
名前を記したすぐ下に、小さく「研究-日米関係、1945-1952」と書かれていて、その右下に「退職公使、アメリカ合衆国国務省、左下に自宅の住所と電話番号」が書かれていたのだそうな。
名刺は肩書きを記するものではないということを教わったようなものだ。老人になって、今、なにに興味関心があるか、一番熱心にやっていることはナニかということを名刺に書けばいいということであった。著者曰わく。
なるほどである。目から鱗である。
なぜか。
そりゃぁ・・ワシには肩書きがないからである。それに今現在なにに興味があって、熱心にやっているものはなにかとなったら名刺を渡した相手とも話が発展する。
これはいいことを教わった。
だから、昨日、名刺を自分で作ってみた。
表には、本名を小さく書いて、その下にローマ字。背景を印刷できるソフトもついていたので、「connect」と薄く印刷した。そして名前のすぐ下に、住所と電話番号、そしてメールアドレス。
ウラに、「教師教育(所属大学名)」「郷土史研究(千葉県郷土史研究連絡協議会)」「古文書学習(所属している古文書学習会名二つ)」「生涯学習(老人大学の正式名)」「受験指導(バイト先の学習塾名=ちなみに全国チェーン)」「その他(中国語講座参加、男の料理教室、柔道教室、gym会員)」とやってみた。
さらにその下に、所属学会名も書いてみた(日本安全教育学会、仏教心理学会、藝能史研究会、他二つ)。
小さく、小さくである。見えないように(^0^)。
今まで、名刺を持っていなかったからである。持っていても活用できなかったし、退職してまで「元ナントカ」と書くのは嫌だったからである。これだと、完全に「今」のことだ。「元」ではない。今、なにに興味を持って、熱心にやっているのかということがよくわかるようになっている。
さらに気に入ったのが、表に背景としてconnectと印刷されていることである。
なんでもそうだが、シンプルなのが一番である。
私のアタマもシンプルだしねぇ~。
☆
今日は、夕方からある場所に食事をしにいく。
フランス料理である。
私はもう呑めないから、自分で運転をしていく。そして、ワインは古女房ドノに呑んで貰う。もうひとり若い女性を同行させるが。彼女も呑むだろう。会場では、私の息子が待っているはずである。彼もまた呑めない。運転してくるからである。
楽しみ、楽しみ。
うまいものがオイラを待っているからである。
わはっはははっっはははである。
よって、gymには早く行く。
それまで「お勉強!」である。英語と数学。この二つが一番熱心にやっていることですなぁ~。今のところ。
じゃぁ~ねぇ~。
(^_^)ノ””””