透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

なぜ古今「東西」なのか

2016-01-27 | A あれこれ

■ 2009年12月30日にこの記事を書いていました。少し手を加えて再掲します(*)。

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なぜ古今「東西」なのか、ある方に問うたことろ太陽の動きと関係があるのでは、と直ちに答えが返ってきました。私もそのように直感的に思っています。太陽の動きが私たちの意識に東西方向の補助線を引かせるのです。地理的空間をイメージするとき、この補助線によって南北方向より東西方向の広がりを強く意識することになるのでしょう。

神様が太陽の神・天照大神に始まると考えた日本人。日が昇る東を強く意識し、日が沈む西に極楽浄土があると考えた日本人。東奔西走ということばもありますね。それから歌舞伎の口上、「東西、東西((とざい とーざい)」。大相撲でも力士が東西から土俵に上がります。

日本では方位を表すのに東西南北といいます。これは前述したことにより東西を主、南北を従と捉えていることに因るのでしょう。これがヨーロッパの緯度が高い国ではネットで得た情報によると北南東西というようです。やはり太陽の動きに関係があって緯度が高くなると太陽は北から昇り、南に沈むことになるから、という説明がありました。

 

ところでニュージーランドはふたつの大きな島から成る国ですが(左)、それぞれ北島、南島と呼ばれています。きちんと南北軸に添って配置されているわけではなく、振れていますが。もし日本列島がニュージーランドの形だったらどうでしょう。北島、南島となったでしょうか・・・。東島、西島と呼称したかもしれません。日本列島はこのニュージーランドとちょうど同じくらい振れていて、東日本と西日本と呼んでいるのですから。

東日本、西日本、南日本、北日本、それぞれ検索すると、ヒット数が違います。東は930万件、西は1460万件、南は1170万件、北は160万件。北が他の方位に比べて極端に少ないことがわかります。どうやら、「北」をあまり使いたくないという心性が日本人にはあるようです。演歌は北を好みますが、暗い、寂しいといったイメージを「北」は負うていると思うのです。この北に対するネガティブなイメージ、これも太陽と関係がありそうです。

なぜ古今東西なのか・・・、実証性はありませんが、とりあえず太陽の動きが東西を南北より強く意識させた結果だと結論しておきます。

東京の地下鉄は東西線、南北線どちらもありますが、東西線の方がかなり早く出来ています。このことも地理的に東西を強く意識していることの表れだと私は考えるのですが、このことに関する珍説はまたいつか。ちなみに京都の地下鉄は東西線と、南北にに伸びる「烏丸線」ですね。


 * 2014年1月11日


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