■ 「ぼくらは少年探偵団」を直接知っている世代ではありませんが、ひらがな表記のぼくらってなんだかすごくなつかしい感じがします。「ぼくら」という月刊の漫画雑誌もありました。
漫画や小説、映画に出てきた未来都市、あるいは建築家が提示した未来都市がどのようなものだったのか、その変遷を辿っています。丹下健三の「東京計画1960」やルドゥーの「製塩都市」、アーキグラムの「ウォーキング・シティ」など、有名な計画案も当然取り上げられています。
ぼくの遠い昔の記憶にあるのは鉄腕アトムに出てきた未来都市です。超高層ビル群とその間を縫うように伸びている高速道路。手元に「鉄腕アトム」はありませんが、「火の鳥 未来編」に描かれている都市もやはり超高層ビルが林立しています。
手塚治虫が描いた未来は既に現実のものとなっています。ロボットも都市も手塚治虫が「ビジュアルに示した未来」の実現を目指して技術開発が続けられてきたことによる当然の結果、と言ってもいいかもしれません。
ところで、丹下健三の「東京計画1960」はじめ、黒川紀章の「東京計画2025」、磯崎新の「海市」(このプロジェクトは知りませんでした)、菊竹清訓の「海上都市1985」など、日本の未来都市の構想ってなぜ海上都市が多いのでしょう。
国土が狭いから? 何もない海に都市をつくることがいかにも未来的だから? 地形的・地理的な拘束条件がほとんどないから? 神話の世界でも日本は海から生まれたことになっているのでは? 神さまが混沌とした海をかき混ぜたとき、しずくが島になった・・・。もしかしたら生命の源、母なる海が恋しいのかもしれません。
メモ)『ぼくらが夢見た未来都市』五十嵐太郎、磯達雄/PHP新書 8月最初の読了本。 人はどんな未来都市を構想してきたのか。
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