■ 夏休みに再読したい本を挙げてみた。
『古寺巡礼』と『風土』和辻哲郎(共に岩波文庫):鋭い観察力と優れた洞察力。
『胎児の世界』三木成夫/中公新書:胎児の成長過程に生命の進化が再現されている!
『流れる星は生きている』藤原てい/中公文庫:終戦の年に満州から幼い子どもと信州まで引き揚げてきた著者。母親の子どもに対するとても深い愛情、子どもを死なせてはならないという「執念」。若いお母さんたちに読んで欲しい。育児放棄なんて・・・。
『日本の近代建築』藤森照信/岩波新書:学者・藤森さんのこの本は日本の近代建築史を概観するのにいい。藤森さんの恩師・村松貞次郎の『日本近代建築の歴史』岩波現代文庫と併読したい。
『「縮み」志向の日本人』李御寧/講談社学術文庫:日本文化論の白眉。あらゆるものを「縮める」ところに日本文化の特徴がある。豊富な例示、説得力のある論考。
『木精(こだま)』北杜夫/新潮文庫:北杜夫は『どくとるマンボウ青春記』とこの小説。「追憶」がキーワード。
■ ブックレビュー 1007