■ 『にょっ記』穂村弘/文藝春秋をようやく見つけた。
普段まずチェックすることのない詩集コーナーに平積みされていた。見つからないわけだ。
ブックデザインがなかなかいい! 光沢のない紙質、グレーの表紙にオシャレなイラスト。りんごが(写真の右側参照)私の好きな色で描かれている。最近ではめずらしいケース(写真の左側)付き。ケースを縦にして上下に軽く振って本がスーっと出てくるのが理想的なのだと聞いたことがあるが、まさにそのように本がケースから出てくる。文庫では出せない味。
さて中身。日記の形式にまとめられた詩のようなエッセイ?、エッセイのような詩? どっちだろう。詩のようなエッセイってとこかな。
穂村さん独特の感性、独特の表現。昨晩と今朝(歳のせいか朝は早い)、なかなかユニークな文章に親しんだ。
例えばこんな具合。
**10月1日 真夜中の先生
真夜中に、ベッドの上でぬいぐるみたちに通知表を配る。
ぬいぐるみたちは、とってもどきどきしていた。**
** 3月1日 牛乳
カップに唇をつけたとたんに、牛乳が真っ黒になって驚く。
反射的に時計をみると零時。
賞味期限が切れたのだ。**
詩集コーナーに置いたのは、書店ではエッセイのような詩を集めた詩集と判断したためだろうか、それとも著者が詩人だから?