■ 信濃毎日新聞の昨日、25日付朝刊の5面に掲載された川島博之氏の評論「今世紀 人口減は自然の摂理」を読んだ。
昨年1年間で、日本の人口は約40万人減少したという。2053年には日本の人口は1億人を下回ると予測されている。人口減少についてはこのところマスコミが時々報じている。よく取り上げられる人口減少の要因がこの評論でも紹介されている。それは**若い世代の貧困、女性の高学歴化に伴う晩婚化、子育てと共働きを両立できない社会**といった社会学的な視点からの指摘だ。
人口減少に転ずるまでは世界の人口は増加してきていたが、20世紀に爆発的に増加し、**1900年に16億人であった人口は2000年に61億人にもなった。**という。ちなみに1900年(明治33年)、日本の人口は4600万人だったそうだ。
爆発的な人口増加を支えたのは食糧不足の解消で、具体的には化学肥料、中でも窒素肥料がいくらでも作れるようになったことだという。窒素肥料がいくらでも作れるって、どうやって? **20世紀に入ると空気中の窒素を工業的に固定する技術が開発されて**と文中にある。
一方で深刻な食糧不足も報じられてもいるが。
この評論でなるほど!と思ったのは評論の最後、次の件(くだり)。**20世紀の人口増加はいささか自然の摂理に反していたようだ。(中略)地球は人間だけのものではない。多くの生物が生きる場である。人類だけが爆発的に増えるべきではない。目に見えない自然の摂理によって、人口増加が抑制され始めた。(後略)**
自然の摂理、これは何なんだろう。地球全体の状況を見通す造物主の存在でも仮定しないと理解できないような現象がなぜ起きるのだろう・・・。
拙ブログの記事では引用箇所の前後に**を付けています。