■ 松本市渚で行われている国道19号の拡幅工事現場で、今朝(10日)繰り返しの美学な光景に遭遇した。
火の見櫓にばかり注目していると、他のカテゴリーがおろそかになる。火の見櫓観察は趣味のひとつに過ぎない。だが、常に全てのカテゴリーを意識していることは難しい・・・。
■ 松本市渚で行われている国道19号の拡幅工事現場で、今朝(10日)繰り返しの美学な光景に遭遇した。
火の見櫓にばかり注目していると、他のカテゴリーがおろそかになる。火の見櫓観察は趣味のひとつに過ぎない。だが、常に全てのカテゴリーを意識していることは難しい・・・。
463 千葉県野田市の火の見櫓(撮影Y君)
■ 小雨がそぼ降る中でわざわざ写真を撮ってきてくれた同僚に感謝。櫓の構成がよく分かるポジションで撮っている。屋根と見張り台のバランスが良く、櫓がなだらかなカーブで下方に広がっている。なかなか美しい立ち姿だ。半鐘が無いのは残念だが。
背景が明るいと火の見櫓がシルエット状に写り細部が分からない写真になる。露出補正が必要だ。
踊り場に半鐘が吊り下げてあったのだろうが、撤去され、小屋根だけが所在なげ(なさげ)に残っている。手すりと避雷針の飾りは同じでエレガントなデザイン。踊り場の外周にきちんと手すりを設置していないことが気になる。だが、櫓の全形をきちんと見せることになり、これでいいのだとも思う。ブレースがあるから転落の恐れはないか・・・。
なかなか美脚には出合えない・・・。
これでふたりが見つけてきた火の見櫓4基の紹介終了。
462 常総市豊岡町の火の見櫓
■ 先日茨城県まで出かける機会があった同僚のY君とT君。車で移動中に出合った火の見櫓の写真を撮ってきてくれた。うれしい! ふたりには感謝、感謝。
火の見櫓の観察方法にきまりというか、ルールなど無い。既に書いたことを繰り返すが、興味の及ぶ範囲で観察したいように観察すればいい。私の場合、火の見櫓の構成要素を観察したくなるようだ。
構成要素に還元するという理系的(?)発想。
ここで、少し余談。人の顔でもやはりその構成要素まで見る。瞼が一重か二重か、それから眉の処理、他にも・・・。
仏像の顔の観察について書かれた本を読んでからは、テレビで大写しにされる女性タレントの顔の例えば目頭と目尻の高さ関係、上唇と下唇の厚さのバランスを見てしまうこともある(とスケベな中年ぶりを正直に書く、いや、これは古代から論じられてきている美学的問題)。ちなみに上下の唇の厚さの比は1対2が好ましい。この先はほろ酔いブログの話題だから、ここには書かない。
本題に戻ろう。この火の見櫓の基本情報、4角形の櫓に8角形の屋根、8角形の見張り台。これを4脚88の火の見櫓と省略表現する火の見ヤグラ―もいる。
屋根のてっぺんの避雷針や軒先に飾りが無くてすっきりしている。下り棟に沿って下地材があるが、その先端は軒先で止めてあり、くるりんちょな飾り、蕨手はない。
見張り台の手すりに曲線の飾りを施してある。機能的には不要なこの手の飾りは観て楽しい。火の見櫓の飾りは大半が屋根と手すりにある。
手すりの外側にまわしてある輪は何のためだろう・・・。消火ホースを掛ける腕木とモーターサイレンを設置する台は後付けだろうが、これらが無ければ美しい見張り台なのに残念。
鋼板を張った床にハッチが付けてある。このハッチを開けて見張り台に上がるのは怖いだろう。古い火の見櫓でこのように鋼板製の床を見ることがある。
櫓は等辺山形鋼(アングル)の柱と横架材、リング式ターンバックル付きの丸鋼ブレースから成る。火の見櫓は非常に鋼材量の少ない構造物だ。
踊り場までは櫓の外に、そこから上は櫓の中に梯子を設置してある。下の梯子はもっと上まで延ばしてあれば踊り場へ上り下りしやすいのに・・・。踊り場のアーチに注目。Uを少し開いて逆さにしたようなカーブがなかなかいい。
踊り場の床のすぐ上で櫓を接合していることが分かる。柱材の接合にそれぞれ8ヶのボルトを使用している。ここから上は鉄工所で一体に加工したのだろう(下に参考写真1を載せる)。
脚元のブレースにターンバックルが無いのはなぜか。
この部分は鉄工所で一体に造り、脚部にアングルの方杖(ブレースとみた方がいいかもしれない)も設置しているから、建てる時にほとんどゆがみが生じないと判断したからか。だが、下の参考写真2のように下のブレースだけリング式ターンバックルを用いた櫓もある。
建て方の際、櫓のゆがみがどこに発生し、それをどのように調整するのかということに関して事情や考え方が違うことに因るのであろう。
参考写真1 山形村小坂の火の見櫓を解体してトラックに積み込んだ時の様子
参考写真2 朝日村西洗馬の火の見櫓 櫓の1面は梯子兼用 防災無線用スピーカーが火の見櫓の印象を全く変えてしまっている。
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茨城県常総市内にて(T君発見、Y君撮影)
■ 火の見櫓としての使命を終え、その後、食堂の広告塔として生きながらえている。けな気というか、こんな姿を見せられると ♪悲しくて 悲しくて とてもやりきれない・・・。
■ T君とは一緒に仕事をする機会が多い。そのせいか彼の火の見櫓センサーも敏感になっているようだ。で、先日茨城県に出張した際、この火の見櫓を見つけて観察してきてくれた。写真を撮ったのは同行していたY君だと聞いた。
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この火の見櫓は『火の見櫓 地域を見つめる安全遺産』/鹿島出版会に紹介されているが、掲載されている遠景写真には脚元が写っていない。脚元がこんなことになっていたとは・・・。
円い見張り台に8角形の小屋が載っている。これもレア。
見張り台にも上の踊り場にも半鐘が吊るしてある。手すりの外側の丸鋼の横架材は消火ホースを架けるためのものか。
下の踊り場のフレームの構成がなかなかおもしろい。
コンクリート製の脚を初めて見た。
鉄骨造だった脚の部分を後から鉄筋コンクリートで補強したと考えるのが妥当ではないか。結果、脚部は鉄骨鉄筋コンクリート造となり、混構造の火の見櫓となったというわけだ。
どうやら茨城県には変わった火の見櫓(藤森照信さんの表現に倣えばヘンな火の見櫓)があちこちに立っているらしい。出かけて直接観察しなくては・・・。
■ 鄙の里で生まれ育ちながら、そう、多くの野鳥を目にする環境で育ちながら名前をほとんど知らない。先日松本市内のスタバで早朝読書しているときにこの鳥を見かけ、窓ガラス越しに何枚か撮った。でも頭を横向きした時の写真は撮ることができなかった。別に珍しい鳥でもないような気がする。
昨日の早朝、NHKのラジオ番組で長野市の方が住宅で囲まれた空き地(だったと思うが)で観察できた鳥の名前を10種類くらい挙げていた。
ああ、野鳥の名前を知っていれば・・・。
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撮影日140307
松本市内のスタバでコーヒーを飲みながら出勤前の小一時間読書することが日常化しつつある。で、今朝もこの鳥を見た。動きが素早く写真を撮るのが困難で、撮ることができた写真はこんなんだった、なんちゃって。
この写真をFさんに見てもらったところ、直ちにセグロセキレイかハクセキレイという答えが返ってきた。いいなあ、ボクもこんなふうに鳥の名前が分かったらなぁ、とその時思った。
3498
■ 「火の見櫓っておもしろい」の500稿目(追記:削除した記事もあるから正確ではない 191220)は松本市和田の火の見櫓。4角形の櫓、8角形の屋根と4角形の見張り台(共に平面形)。直線的でカチっとしている。この火の見櫓は案外古いものかもしれない。
既に見張り台に半鐘は無く、踊り場にドラ形(双盤形)の半鐘が消防信号表示板とともに設置されている。見張り台まで上り下りするのが大変という理由からか。
撮影日140304
脚元に先日降った雪がまだ残っている。脚部はあまり見ないタイプ。脚元までトラスになっていた方が視覚的に好ましいし、構造的にも理にかなっている(ハズ)。
同じ火の見櫓を複数回取り上げたこともあるし、同時に複数の火の見櫓を取り上げたこともある。正確ではないが、観察した火の見櫓は約460基。
松本市在住のある方が2004、5年に行った調査で長野県内にはおよそ2300基の火の見櫓があると推定できたという。火の見櫓は次第に解体処分されていて、年々減っている。このことを考慮してもまだ2000基くらいはあるのではないか。
全て見尽くすなどということは到底出来そうもない。ということはこれからも火の見櫓観察という趣味を継続できるということだ。同じ火の見櫓でも季節や天候、時間帯によっても印象が違うから一度観察して終わり、ということにはならない。県外にまで足を延ばせばその数はずっと増える。
火の見櫓観察はこれからも続く・・・。
■ 昨日(2日)のJ2開幕戦で松本山雅は東京ヴェルディに3-1で勝利した! 東京の味の素スタジアム、ヴェルディのサポーターが約4,400人だったのに対し、山雅が倍近くの8,000人超だったというからこれもスゴイ。
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早いものでもう3月。で、2月のブックレビュー。
『空海の風景 下』司馬遼太郎/中公文庫 をようやく読み終えた。読み応えのある本だった。歴史の大きな流れを俯瞰的に捉える司馬さんだから、遥か昔の人物の輪郭を描き出すことができたのかも知れない。密教思想を体系化した空海。天才としか評しようのない知の巨人ということは既に知っていたが、本書を読んで改めてそう思った。
**大陸文明と日本文明の結びつきを達成した空海は、哲学宗教文学教育、医療施薬から土木灌漑建築まで、八麺六腑の活躍を続ける。その死の秘密をもふくめて描く完結篇。昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞**(カバー裏面の紹介文からの引用)
今年の11月には高野山奉賛の予定、その予習をもう少ししておこう。来年は高野山開創1200年。
『般若心経講義』高神覚昇/角川ソフィア文庫 般若心経は大般若経のエッセンスを略出したものとのことだが、やはり意味するところを理解することは難しい。本書は般若心経の入門書というよりは応用書(こんな言葉があるのか・・・)、といった印象。私の理解が及ばないから、このような印象だったのかも。
真理は自分の外には存在しない。自分の心を清浄にしなければならない。本書を薦めていただいた菩提寺のご住職の簡潔な解説。夏ころ読み返すつもり。
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『食と建築土木』後藤 治、二村 悟、写真小野吉彦/LIXL出版
■ 農業・漁業従事者が手づくりしている「食」の簡易な生産用構築物のレポート。
表紙に載っているのは丸干し大根の大根櫓。宮崎市田野町では冬場に孟宗竹で三角形の大規模な仮設櫓を組んで、漬物用の大根を丸干にしているそうだ。桁行(櫓の長さ)50~200mほどあるという。この季節限定の繰り返しの美学な構築物はなかなか美しい。
他には干し柿をつくるための柿屋、ウド栽培のためのワラ葺き小屋など20数例がカラー写真と共に紹介されている。
「食」を天日干しにするためであったり、風を通すためであったりする構築物は力学的にも施工的にも理に適うものに次第になっていったもので、建築の「祖形」とも見ることができる。なかなかおもしろい切り口の本だ。
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53枚目 Sさん
■ 昨晩(1日)は、勤務先の飲み会だった。どんな趣旨での飲み会かは伏せておく。飲み会には最近入社したSさんも参加した。彼女は私と苗字が同じで、出身高校も同じ。
彼女には、就いてもらった業務は「情報の整理と管理、提供」と捉えることもできると話した。もたらされる情報をどのように受けとめ、それをどのような観点からどのように整理するか、そしてそれを必要なときにどのように提供するか。
それから自分がしたいと思う仕事は自分でつくるもの、そのような環境は自分で整えるべきものだということも伝えた。
彼女は話を聞く時の目が真剣だった。聡明な人に違いない。酒席で硬い話をしてしまったが、酔っ払い中年のセクハラ話しよりはましだろう。
およそ仕事というものは情報をどのように受容してそれにどのように反応するかが必ず問われる。抽象的な言い回しだが・・・。例えば農業では気象情報に的確に対応することが必要だし、農作物が発する情報に対しても同様だ。それによって収穫を予定より早めたり、追肥をするような対応も求められる。
仕事の上で問われる能力としてよく挙げられる「コミュニケーション力」はまさにこのような能力で、相手は人に限らないと私は考えている。
大いに能力を発揮して欲しいとSさんにエールを送る。
次に飲むときは趣味の話をしてヤグラ―になってもらおう・・・。
♪ 一年生になったら 一年生になったら 友だち100人できるかな
毎年入学シーズンになるとラジオやスーパーでこの歌を聴く。小学校の一年生で友だち100人できるかな・・・、この歌を聴く度に思う。作詞したまど・みちおさんは随分社交的な人だったんだろうな。先日まどさんの訃報を耳にした。調べてみて作曲したのは山本直純さんだと分かった。
一年生なら10人くらいでOKじゃないのかな。目標とする人数だと10人は少ないか。でもクラスのコ全員と友だちになれたとしても40人くらいだからなぁ。友だち100人・・・。年賀状を出す友だちは100人を超えるけれど学生時代までに知り合った友だちと仕事を始めてからの友だちが同じくらいの人数かな。一年生になったときに同じクラスだった友達とはいまだにつきあいが続いている。
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