愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

岩の上に小さな田んぼがある光景

2012年08月26日 | 生産生業
西予市城川町の窪野にあるちょっと珍しい田。

その名も、岩上田。

大きな岩の上に一枚の田んぼがある。

うちの子ども曰く、西予市で一番小さい田んぼなんちゃう?

ところが、ところが、岩の頂部に田があるので、

一見して、水源がないのがすぐわかる。

これ、どうしているのだろう?

管理されてる方が、常々、水を人力で補給しているのか?

それとも雨水だけ?

もしかして、岩の下から水が涌いている?

気になって、近づいてみた。

さすれば・・・




ホースで、水をひいていました。

なあんだ。ホースか。単純、単純。解決。解決。



と思った瞬間、周りを見渡しても動力は使っていない。

4メートル道路の向かい側が少し高くなっていて、

そこに水路がある。

そこからホースを引いているのだが、

これって・・・サイフォンの原理!!!



冷静に考えれば、なんてことはないのだけれど、

農業用水の確保において、

こんな具合にサイフォンの原理を使っている事例は多いのだろう。



そういえば、中国雲南省アールー族の地域の山全体が棚田って写真を以前、

国立歴史民俗博物館(といっても今は琵琶湖博物館長さん)の

篠原徹先生の講演で、スライド上映で見せてもらったけど、山の頂部も棚田だった。

篠原先生からは、さあこれはどうやって水を確保しているのだろう?と

問いかけだけで、答えは自身で考えてみて、と質問を投げかけられたが、

これも大掛かりなサイフォンの原理での水確保なのだろうと思う。



う~ん、奥が深いというか、何じゃ単純やんと思うか、

その双方の感情が交錯しているのだが、

まあ、岩上田。珍しいことに変わりはない。

だからここで紹介しておこう。






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