草むしりしながら

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初桜花

2023-03-27 09:18:32 | 草むしりの幼年時代

初桜花

 お彼岸が明けて、先祖さまたちもあちらの世界に帰って行った。亡くなった母は今頃どうしているだろうか……。

 母の四十九日の法要が終わったあと、お骨を先祖代々の墓に納骨しようとして、急に心配になったことがあった。祖父母と同じ墓の中で、母は仲良くできるのだろうかと……。

 どこの家庭でもそうであろうが、嫁と舅姑とは多かれ少なかれ仲は良くないものだ。普通ならそういうことは時が解決してくれるのだろうが、祖父が亡くなったのは私がまだ幼い時だった。だから良いところは覚えていないのだ。いつまでたっても母と祖父は仲が悪いというイメージしかないのだ。

 そのことを母が祖父と同じ墓に入る段になって、急に思い出してしまったのだ。

「向こうに行ったら、仲良くするんで!」

 何だが急に泣けてきて、母のお骨に話しかけたのを覚えている。

 そんなこと私が心配しなくて、みんな仲良く蓮の花の上にいるだろう。いや我が家のご先祖さまたちのことだ、みんなで寝転がっているかもしれない。

 母のお骨は、当時大学生だった私の息子の手によって納骨された。父のが亡くなった時も、墓の中は狭いからお前が中に入いれと、夫にいわれたのだが、まだ小学生だった息子は、それができなかったのだ。無理もない。

 ただそれが記憶にあったのだろう。今度は自分がやるからと、彼は率先してその役を申し出た。

 私に幼年期思い出があるように、息子にとってそれは、忘れがたい幼年期の思い出なのだろう。

 さて、昨日から東京での生活になった。普段は夫との二人暮らしで、猫もいなければ畑もない生活に戻った。生家のある地域ではやっと桜の開花宣言が出たばかりなのに、東京では満開の桜が雨の中すでに散りかけていた。

さて桜といえば思い出す歌、いやブログがある。

行かん人 来ん人忍べ 春霞 たつたの山の 初桜花 [中納言家持(大伴家持)]

(行く人も来る人も思い慕え、春霞のたつ、竜田山の初桜の花を)

 この歌を知ったのは、相互フォローしている「雅工房」さんがのブログである。2018年に投稿されている。当時私は長男の第一子に続き、長女の第一子が生まれたばかりだった。そして母の姉にあたる伯母が寝込んだばかりでもあった。伯母には子供がなく、頼まれて週に2度ほどお手伝いに通っていた。

 その時のことをブログに書いた翌日、雅工房さんがこの歌を、自身のブログに投稿された。なんだか私のために書いて下さったような気がして、とても嬉しかった。

 桜の花の下、行った人ばかりの思い出が尽きない。くる人たちの話は先に延ばして、まだしばらくは行った人たちの思い出にお付き合い願います。



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