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戦争被害者の物語 (A-chan)
2020-01-12 22:28:20
明けましておめでとうございます。
遅い挨拶になりましたが、如何お過ごしですか?令和2年最初の書き込みは「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」についてにしたいと思います。

それまでの怪獣映画の多くは核の恐怖を描いていましたが「フランケンシュタイン対地底怪獣」は戦争被害者の悲劇を描いていますね。
本作に登場するフランケンシュタインは、戦時中に不死身の兵士となるべく作り出されたというのに、戦争が終わった後は異端の存在として阻害されなければならなくなり、まさに彼こそは悲しい戦争の被害者です。
もう1人の戦争被害者といえば、冒頭に登場した原爆症(おそらくは白血病)の少女。原爆で両親を亡くし、自分も不治の病に罹って死の恐怖に怯えている。こちらの方が現実的で、観ていて胸が痛かったです。
そして、後に出現する地底怪獣バラゴン。地底に潜んでいたはずの彼が地上に現れた原因が核実験による地殻変動や地熱の上昇だったとしたら、彼もまたゴジラなどと同様、核=戦争の被害者。思えば、怪獣達の多くが人間の引き起こした戦争の被害者なんですよね。

私もラストは「大ダコ」よりも「生き埋め」の方が良いと思います。あの大陥没はバラゴンが地底を掘り進んだ為に起きたらしいですので、勝負の結果は相打ちという事になります。こちらの方が戦争被害者同士の戦いの悲しさが引き立ちますが、訳分からん大ダコがいきなりしゃしゃり出てきての締め括りでは興醒めしてしまいます。
「フランケンシュタイン対地底怪獣」は、異端の存在を人間態のキャラクターとして描く事によってより悲劇性を高め、人間の業の深さを追及しているように思えます(後の「サンダ対ガイラ」にも同じ事が言えますが)。

昨年は私の拙い書き込みに丁寧なお返事を頂き、どうもありがとうございました。では、今年もよろしくお願いします。
 
 
 
今年もよろしくお願いします。 (こーじ)
2020-01-13 20:45:25
>A-chan様

 確かにフランケンシュタインは戦争による被害者的な立ち位置になりますよね。

 推測するに同年の怪獣大戦争でゴジラやラドンらが侵略者の兵器になっているのを見ると、子供中心路線と本格的怪獣路線に東宝が分けたのではないでしょうか。

 つまりゴジラやラドンに核実験の被害者的な色が薄れてきたので、敢えてメッセージ色の強いシリアス路線の作品を作るべく企画されたのがフランケンシュタインシリーズだと思ってます。

 結果的にヒューマノイド対四つ足歩行怪獣というジャンルは初めてで、このプロットが後のウルトラマンになると思うと感慨深いものがありますよね。

 ちなみに30年ほど前に私が作ったオリジナルストーリーではフランケンシュタインをウルトラマンのジャミラに置き換えて、地底怪獣と戦わせるという内容にしましたが最後はやはり陥没にのみ込まれて…という結末にしてます。
 
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