いよいよ明日からプロ野球もキャンプインだが昨シーズン悲願の日本一に
なったホークスはオフに左腕の2枚看板である和田毅と杉内俊哉に最多勝の
タイトルホルダーのトッド・ホールトンに1番ショートの川崎宗則が一気にチーム
を出る事になった。
ホールトン以外はFAでの移籍で和田と川崎はMLBへ、杉内とホールトンは
ジャイアンツへと同じパ・リーグのライバルチームに移籍したわけではないので
個人的には‘まぁ仕方ないか’ぐらいにしか思わないが、プロ野球OB達に言わ
せると‘大幅な戦力ダウンで今年は厳しい‘という悲観的な論調が目立つため
昨年のオフから日本一の余韻を楽しむどころではなかったようだ。
とはいえ これは仕方ない事で、今のシステムでは遅かれ早かれ こうなる事は
目に見えていた。
MLBを見ても昨シーズンWシリーズを制覇したセントルイスは生え抜きの
スーパースターであるアルバート・プーホルズが31歳にも拘らずFAでアナハイ
ムに移籍したのだからホークスどころではない。
つまりFAが施行されてからチームの総年俸は高騰しているし、MLBを見ても
最早チームの総年俸上位チームでなければ優勝は厳しくなっているので各チー
ムは予算限度額ギリギリで運営する事になる。
だから優勝すれば更に総年俸は上がるので予算の限度額を超えてしまう
わけで、優勝すれば中心選手の誰かがチームを離れるという事態になるのは
当然だろう。
優勝を続けても中心選手が流出しなかったV9ジャイアンツの頃のように選手の
年俸を抑え込んでCMなどで補填するというようなマネは21世紀の今では不可能
だし、90年代前半まで強さを誇った資金が潤沢だったライオンズですらFA時代に
なると秋山や清原をはじめ中心選手達が流出したのだから いかにチーム運営が
大変か分かるだろう。
そこでファイターズのように資金力がないのを逆手にとってスター選手が流出
する代わりにファンサービスを徹底させてスターに頼らないチームそのものを応援
してもらえる経営に切り替えたチームが成功しているのだ。
これなら中心選手が流出しても客足への影響は最小限度で凌げるし、チームの
新陳代謝を高めて活性化させるというメリットもあるのだ。
そういうメリットには背を向けて旧態然としたスター選手に頼るだけの運営をして
いるチームは時代についていけないだけの事だろう。
だから我々も現在の そういう現状を受け入れる必要があるし、そうなれば誰を
残して誰を出すかという判断が重要になるのでチームの浮沈のカギを握るフロント
の責任は増大するわけである。