TPPってなんだ、という声に応えて、熊さんとご隠居が長屋問答を繰り広げています。
わたしもこれを読んで、なるほどガッテン!! です。
11月17日「しんぶん赤旗」から引用して掲載いたします。
熊 てぇへんだ、てぇへんだ。
ご隠居 どうしたい。
熊 ピー、ピーと、なにやら世の中、騒がしい。何事だ。
ご隠居 なんだ、それは。ははあ、TPPのことか。
熊 おっ、出てきやがったな、横文字が。なんの略だ。「とんでもねぇ、ピンチだ、ピントだ」でTPPか。
ご隠居 そうじゃない。いや、当たっているか。
熊 どっちなんだい。
■自給率13%に
ご隠居 いやな、TPPというのは、「トラック パシフィック パートナーシップ」。
熊 頭が痛くなってきた。
ご隠居 日本語でいうと、環太平洋戦略的経済連携協定。
熊 日本語でもわかんねぇ。
ご隠居 まあ、太平洋を取り巻く国々が経済で仲良く手をつなぎましょうってことかな。
熊 おっ、いいことじゃねぇか。なんで騒ぐんだ。
ご隠居 仲良くするためには、お互いのことを尊重しないといけない。
熊 常識だね。おいらとご隠居さんみたいに。
ご隠居 ところが、このTPPというのは、相手の事情はおかまいなしだ。
熊 どういうことだ。
ご隠居 それぞれの国には、保護・育成したい産業がある。そのために、輸入品に一定の税金をかける。これを関税という。
熊 日本の場合、主食の米などか。
ご隠居 そう。TPPは、原則として例外なしに関税をゼロにする。
熊 税金がかからないということは、海外から安い農産物がどんどん入ってくるということか。すると、どうなる。
ご隠居 農水省の試算では、現在でも40%しかない食料自給率が13%に落ち込む。
熊 なんだ、その食料自給率ってぇのは。
ご隠居 熊さんたちが日々食べている食料のうち、国内で生産されている食料の割合だ。カロリーベースでな。
熊 するってぇとなにか。いまでも、おいらのからだのエネルギーの6割は、海外頼み。それが、9割近くまで。
ご隠居 ほとんど、海外からの輸入に頼らなければならないっていうわけだ。
熊 安いんだったら、海外から買えばいいじゃないか。
ご隠居 海外から買えなかったら、どうなる。
熊 えっ、そんなことってあるのかい。餓死しちまう。
ご隠居 つい2年ほど前、世界的な食料危機が大問題になったことを覚えているかい。
熊 そういえば、アフリカで餓死者がずい分出たな。日本でも食品や飼料の値上がりが問題になった。
ご隠居 農作物は天候に左右される。投機マネーがなだれ込み価格が暴騰する危険もある。輸出規制も起こる。
熊 やっぱり、食料は国内で確保しないとなにが起きるかわからないってぇことか。
ご隠居 米国も欧州も、食料自給率100%は当たり前だ。農家が安心してコメなどがつくれるように価格保障・所得補償制度を抜本的に充実し、関税など国境措置を維持・強化し、「食料主権」を保障する貿易ルールが大切だ。
■乗れぬ「泥舟」
熊 いちいちごもっとも。じゃあなんで、TPPなんだ。
ご隠居 米国が参加表明してにわかに浮上したな。菅政権は“乗り遅れるな”“国を開け”とTPP参加を言い出した。それは、トヨタ、パナソニックなど一部の輸出大企業のためなんだ。
熊 どぅいうことだ。
ご隠居 韓国のメーカーとの競争でも、輸出先の関税がゼロになった方が、よりもうけが増えるというわけだ。
熊 おいおい、そのためなら農業を犠牲にしてもいいっていうのかい。
ご隠居 農家だけでなく、国民のいのちにかかわる食料の問題だ。雇用は340万人失われると農水省は試算している。地域が崩壊してしまう。買う力がますます弱くなれば、メーカーだって困るはずだ。
熊 「乗り遅れるな」じゃなくて、乗ってはいけない「泥舟」だな。
わたしもこれを読んで、なるほどガッテン!! です。
11月17日「しんぶん赤旗」から引用して掲載いたします。
熊 てぇへんだ、てぇへんだ。
ご隠居 どうしたい。
熊 ピー、ピーと、なにやら世の中、騒がしい。何事だ。
ご隠居 なんだ、それは。ははあ、TPPのことか。
熊 おっ、出てきやがったな、横文字が。なんの略だ。「とんでもねぇ、ピンチだ、ピントだ」でTPPか。
ご隠居 そうじゃない。いや、当たっているか。
熊 どっちなんだい。
■自給率13%に
ご隠居 いやな、TPPというのは、「トラック パシフィック パートナーシップ」。
熊 頭が痛くなってきた。
ご隠居 日本語でいうと、環太平洋戦略的経済連携協定。
熊 日本語でもわかんねぇ。
ご隠居 まあ、太平洋を取り巻く国々が経済で仲良く手をつなぎましょうってことかな。
熊 おっ、いいことじゃねぇか。なんで騒ぐんだ。
ご隠居 仲良くするためには、お互いのことを尊重しないといけない。
熊 常識だね。おいらとご隠居さんみたいに。
ご隠居 ところが、このTPPというのは、相手の事情はおかまいなしだ。
熊 どういうことだ。
ご隠居 それぞれの国には、保護・育成したい産業がある。そのために、輸入品に一定の税金をかける。これを関税という。
熊 日本の場合、主食の米などか。
ご隠居 そう。TPPは、原則として例外なしに関税をゼロにする。
熊 税金がかからないということは、海外から安い農産物がどんどん入ってくるということか。すると、どうなる。
ご隠居 農水省の試算では、現在でも40%しかない食料自給率が13%に落ち込む。
熊 なんだ、その食料自給率ってぇのは。
ご隠居 熊さんたちが日々食べている食料のうち、国内で生産されている食料の割合だ。カロリーベースでな。
熊 するってぇとなにか。いまでも、おいらのからだのエネルギーの6割は、海外頼み。それが、9割近くまで。
ご隠居 ほとんど、海外からの輸入に頼らなければならないっていうわけだ。
熊 安いんだったら、海外から買えばいいじゃないか。
ご隠居 海外から買えなかったら、どうなる。
熊 えっ、そんなことってあるのかい。餓死しちまう。
ご隠居 つい2年ほど前、世界的な食料危機が大問題になったことを覚えているかい。
熊 そういえば、アフリカで餓死者がずい分出たな。日本でも食品や飼料の値上がりが問題になった。
ご隠居 農作物は天候に左右される。投機マネーがなだれ込み価格が暴騰する危険もある。輸出規制も起こる。
熊 やっぱり、食料は国内で確保しないとなにが起きるかわからないってぇことか。
ご隠居 米国も欧州も、食料自給率100%は当たり前だ。農家が安心してコメなどがつくれるように価格保障・所得補償制度を抜本的に充実し、関税など国境措置を維持・強化し、「食料主権」を保障する貿易ルールが大切だ。
■乗れぬ「泥舟」
熊 いちいちごもっとも。じゃあなんで、TPPなんだ。
ご隠居 米国が参加表明してにわかに浮上したな。菅政権は“乗り遅れるな”“国を開け”とTPP参加を言い出した。それは、トヨタ、パナソニックなど一部の輸出大企業のためなんだ。
熊 どぅいうことだ。
ご隠居 韓国のメーカーとの競争でも、輸出先の関税がゼロになった方が、よりもうけが増えるというわけだ。
熊 おいおい、そのためなら農業を犠牲にしてもいいっていうのかい。
ご隠居 農家だけでなく、国民のいのちにかかわる食料の問題だ。雇用は340万人失われると農水省は試算している。地域が崩壊してしまう。買う力がますます弱くなれば、メーカーだって困るはずだ。
熊 「乗り遅れるな」じゃなくて、乗ってはいけない「泥舟」だな。
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