日本共産党の森脇ひさき県議は同党岡山地区委員会の会議で県知事選挙の情勢と争点について報告しました。以下に要旨を紹介します。
10月6日告示、23日投票で県知事選挙がおこなわれます。民主県政をつくるみんなの会は、植本かんじさん(無所属・日本共産党推薦)を候補者としてたたかうことを決めました。
最初に知事選挙前後の国の情勢についてお話しします。
今月末からはじまる臨時国会では、参院選で大きな争点となった戦争法による新たな任務をもった自衛隊のPKO派兵問題、憲法改悪への動き、医療や介護など社会保障削減の動きがすすむなかでたたかわれるということです。
したがって、国の悪政にどういう態度をとるのかが問われます。伊原木知事は、消費税増税や社会保障の改悪は「必要な改革」といい、戦争法は「国が決めること」と、自らの意見は述べませんでした。この9月議会でもそのことを質問でとりあげたところ、知事の答弁は「私が必要と思うことはしっかり意見を言う」とのことでした。
結局、「消費税が上がり生活が苦しい」「十分な介護が受けられない」など県民の不安も、知事にとっては国に対して「言うに値しなかった」ということです。国に言うかどうかは、県民の思いなどではなく、知事の思いということも明らかになりました。
国の悪政が県民の暮らしを悪くしている今、国に対して県民の立場できっぱり意見を言うことができる知事を選ぶことが非常に大事になっていると思います。
次に、4年間の伊原木県政の特徴と植本かんじさんを先頭にがんばる「民主県政をつくるみんなの会」がどのような県政をめざすのかという点についてお話しします。「みんなの会」は、県政の3つの転換を求めてたたかいます。
1つは、いのちと暮らし最優先にした県政ということです。地方政治の一番の役割は、地方自治法にも「住民の福祉の向上をはかる」と書かれています。ところが、伊原木県政の4年間、この分野の仕事はほとんどありませんでした。鳥取では子どもの医療費助成を18歳まで拡大したのとは大違いです。
岡山県では、子どもの医療費について年齢拡大をしなかっただけでなく、障害者の医療費は、「原則1割負担」として、制度改悪前に比べて年間予算を10億円も削ってしまっています。私たちは繰り返し無料にするよう求めてきましたけれども、知事は、財政が厳しいに加えて、この前の答弁は「行政の優先順位が低い」というものでした。
県が実施している県民意識調査でも、「経済的負担の軽減」を願う声が圧倒的多数なのに、知事の認識はまったく逆です。県民にとって国の悪政、県の悪政、二重の不幸と言わなければなりません。
9月議会では、せめて、障害のある子どもさんには18歳まで医療費を無料にしてはどうかということも質問しました。これにかかる費用は、なんと1400万円だそうです。それでも「優先順位が低い」、やろうとしない、今の知事には、まったく「福祉の心」がないと言わなければなりません。
2つめは、1人ひとりの子どもを大切にする教育をすすめるということです。
県は、知事を先頭に「全国学力テスト10位以内に」という目標をかかげ、学校では、過去問練習、たしかめテスト、学力テストで順位をあげるための勉強時間が増えています。先生も成果を求められ、成果をあげたら100万円と奨励金までつけて競わせる異常な体制です。これで本当に子どもに必要な学力がつくのでしょうか。
肝心な先生の配置はと言えば、正規の先生が大幅に減らされて、全教の調査では、標準法で必要な定数の約85%となっています。本来必要な正規の先生を減らし、非正規を増やしているんです。この事態に、4年前の県議会で教育長は、「公務分掌の分担や、教育の継続という点から支障をきたしている。計画的に正規教員をふやしたい」と答弁していたのですが、伊原木知事に代わって、さらに非正規が増えています。この点を9月議会で質問しましたら、知事は「非正規でも必要な場合もある。非正規率が増えても悪とは言えない」と言い、さらに追求すると「教育委員会が決めるもの」と逃げる始末でした。予算をつけるのは知事です。
もうひとつ教員の配置という点で、特別支援学級で大変な問題が生じています。障害のある子どもの学級ですが、1学年の定数が8人とされています。1学年、1人とか2人とかというケースもあるのですが、その場合は複式学級をつくることになります。普通、複式学級と言えば、1年と2年生、2年と4年生と、連続した2学年、場合によっては3学年くらいまではあるかもしれません。ところが、岡山県の特別支援学級は、1年から6年まで1つの学級だったり、4学年以上で1学級を編成している学級が、なんと6割もあるんです。
国の基準では、「同一学年が基本」とされており、岡山のような他学年にまたがることは書かれていません。ただ、県の裁量だそうです。国の基準通り教員を確保せよと質問しましたら、国には基準通りに請求しているというんです。結局、学級数を少なくすることによって国から配置された先生を、他の所に回しているということなんです。許せない話です。
非行防止と言って学校と警察の連携のために、県独自で警察官を採用しています。警察官より先生が必要ではないでしょうか。教育施策を大元から転換し、子どもたちが楽しくなる学校にしていかなければと、強く感じています。
3つめは、地域に根ざした産業施策に力を入れることです。伊原木知事は、力のあるところにはしっかり支援をすると、企業誘致や水島コンビナートの規制緩和などいろいろやってきました。しかし、肝心な地元でがんばる中小零細事業者には極めて貧弱です。
経済効果が大きいと全国で歓迎されている住宅リフォーム助成制度や、自然エネルギー普及に力を入れるなど、地元業者への支援を強めることが必要です。TPPには断固反対。TPPなしでも農林水産業への支援をしっかりおこないます。
労働者には「給料があがらない」という問題もあります。中小企業への補助金が、賃金引き上げや正規雇用の拡大に結びつくようなものにすることも必要です。
若者支援という点では、給付制奨学金、返さなくてもよい奨学金制度を県独自でつくります。すでに、青森、秋田、山形、岐阜、香川で独自の制度がつくられています。検討中という県もひろがっています。県外で学んだ学生が地元就職した際に返済不要とする制度ですので、優秀な学生さんに地元で就職してもらううえでも効果を発揮します。
9月議会で知事は「就職準備の支援金制度をつくった」と答弁しましたが、わずか20万円でこれは貸与制、返さなくてはいけません。この分野でも非常に遅れています。
4年間を振り返り、県政の特徴をひとことで言うと、「県民のほうを向いていない」ということだと思います。「みんなの会」のとりくみを急いで大きくし、県民に寄りそった県政に変えましょう。
10月6日告示、23日投票で県知事選挙がおこなわれます。民主県政をつくるみんなの会は、植本かんじさん(無所属・日本共産党推薦)を候補者としてたたかうことを決めました。
最初に知事選挙前後の国の情勢についてお話しします。
今月末からはじまる臨時国会では、参院選で大きな争点となった戦争法による新たな任務をもった自衛隊のPKO派兵問題、憲法改悪への動き、医療や介護など社会保障削減の動きがすすむなかでたたかわれるということです。
したがって、国の悪政にどういう態度をとるのかが問われます。伊原木知事は、消費税増税や社会保障の改悪は「必要な改革」といい、戦争法は「国が決めること」と、自らの意見は述べませんでした。この9月議会でもそのことを質問でとりあげたところ、知事の答弁は「私が必要と思うことはしっかり意見を言う」とのことでした。
結局、「消費税が上がり生活が苦しい」「十分な介護が受けられない」など県民の不安も、知事にとっては国に対して「言うに値しなかった」ということです。国に言うかどうかは、県民の思いなどではなく、知事の思いということも明らかになりました。
国の悪政が県民の暮らしを悪くしている今、国に対して県民の立場できっぱり意見を言うことができる知事を選ぶことが非常に大事になっていると思います。
次に、4年間の伊原木県政の特徴と植本かんじさんを先頭にがんばる「民主県政をつくるみんなの会」がどのような県政をめざすのかという点についてお話しします。「みんなの会」は、県政の3つの転換を求めてたたかいます。
1つは、いのちと暮らし最優先にした県政ということです。地方政治の一番の役割は、地方自治法にも「住民の福祉の向上をはかる」と書かれています。ところが、伊原木県政の4年間、この分野の仕事はほとんどありませんでした。鳥取では子どもの医療費助成を18歳まで拡大したのとは大違いです。
岡山県では、子どもの医療費について年齢拡大をしなかっただけでなく、障害者の医療費は、「原則1割負担」として、制度改悪前に比べて年間予算を10億円も削ってしまっています。私たちは繰り返し無料にするよう求めてきましたけれども、知事は、財政が厳しいに加えて、この前の答弁は「行政の優先順位が低い」というものでした。
県が実施している県民意識調査でも、「経済的負担の軽減」を願う声が圧倒的多数なのに、知事の認識はまったく逆です。県民にとって国の悪政、県の悪政、二重の不幸と言わなければなりません。
9月議会では、せめて、障害のある子どもさんには18歳まで医療費を無料にしてはどうかということも質問しました。これにかかる費用は、なんと1400万円だそうです。それでも「優先順位が低い」、やろうとしない、今の知事には、まったく「福祉の心」がないと言わなければなりません。
2つめは、1人ひとりの子どもを大切にする教育をすすめるということです。
県は、知事を先頭に「全国学力テスト10位以内に」という目標をかかげ、学校では、過去問練習、たしかめテスト、学力テストで順位をあげるための勉強時間が増えています。先生も成果を求められ、成果をあげたら100万円と奨励金までつけて競わせる異常な体制です。これで本当に子どもに必要な学力がつくのでしょうか。
肝心な先生の配置はと言えば、正規の先生が大幅に減らされて、全教の調査では、標準法で必要な定数の約85%となっています。本来必要な正規の先生を減らし、非正規を増やしているんです。この事態に、4年前の県議会で教育長は、「公務分掌の分担や、教育の継続という点から支障をきたしている。計画的に正規教員をふやしたい」と答弁していたのですが、伊原木知事に代わって、さらに非正規が増えています。この点を9月議会で質問しましたら、知事は「非正規でも必要な場合もある。非正規率が増えても悪とは言えない」と言い、さらに追求すると「教育委員会が決めるもの」と逃げる始末でした。予算をつけるのは知事です。
もうひとつ教員の配置という点で、特別支援学級で大変な問題が生じています。障害のある子どもの学級ですが、1学年の定数が8人とされています。1学年、1人とか2人とかというケースもあるのですが、その場合は複式学級をつくることになります。普通、複式学級と言えば、1年と2年生、2年と4年生と、連続した2学年、場合によっては3学年くらいまではあるかもしれません。ところが、岡山県の特別支援学級は、1年から6年まで1つの学級だったり、4学年以上で1学級を編成している学級が、なんと6割もあるんです。
国の基準では、「同一学年が基本」とされており、岡山のような他学年にまたがることは書かれていません。ただ、県の裁量だそうです。国の基準通り教員を確保せよと質問しましたら、国には基準通りに請求しているというんです。結局、学級数を少なくすることによって国から配置された先生を、他の所に回しているということなんです。許せない話です。
非行防止と言って学校と警察の連携のために、県独自で警察官を採用しています。警察官より先生が必要ではないでしょうか。教育施策を大元から転換し、子どもたちが楽しくなる学校にしていかなければと、強く感じています。
3つめは、地域に根ざした産業施策に力を入れることです。伊原木知事は、力のあるところにはしっかり支援をすると、企業誘致や水島コンビナートの規制緩和などいろいろやってきました。しかし、肝心な地元でがんばる中小零細事業者には極めて貧弱です。
経済効果が大きいと全国で歓迎されている住宅リフォーム助成制度や、自然エネルギー普及に力を入れるなど、地元業者への支援を強めることが必要です。TPPには断固反対。TPPなしでも農林水産業への支援をしっかりおこないます。
労働者には「給料があがらない」という問題もあります。中小企業への補助金が、賃金引き上げや正規雇用の拡大に結びつくようなものにすることも必要です。
若者支援という点では、給付制奨学金、返さなくてもよい奨学金制度を県独自でつくります。すでに、青森、秋田、山形、岐阜、香川で独自の制度がつくられています。検討中という県もひろがっています。県外で学んだ学生が地元就職した際に返済不要とする制度ですので、優秀な学生さんに地元で就職してもらううえでも効果を発揮します。
9月議会で知事は「就職準備の支援金制度をつくった」と答弁しましたが、わずか20万円でこれは貸与制、返さなくてはいけません。この分野でも非常に遅れています。
4年間を振り返り、県政の特徴をひとことで言うと、「県民のほうを向いていない」ということだと思います。「みんなの会」のとりくみを急いで大きくし、県民に寄りそった県政に変えましょう。