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福田康夫と意地悪ばあさん

2008年09月08日 05時14分00秒 | 政治
長谷川町子といえば、文部省やPTAが諸手を上げて推薦しそうな国民的漫画『サザエさん』が代表作だが、もうひとつの代表作に『意地悪ばあさん』という作品もある。
若年層には馴染みが無い作品かもしれないが、オールドファンは「そういえば青島幸男が女装して演じてたっけ」と懐かしい作品かもしれない。
こちらは『サザエさん』とは違い、意地悪なお婆さんが色々と悪戯や悪さをして周囲に迷惑を掛ける話。『サザエさん』と異なり、かなり毒気が強い。筆者は『サザエさん』よりも『意地悪ばあさん』のほうが好きだ。

温厚で周囲から愛されるお年寄りがいる。いっぽうでは偏屈で周囲から疎まれるお年寄りもいる。
たぶん前者のほうが家族から愛されるだろう。
でも家族にとって、どちらのお年寄りと付き合うのが幸福かといえば一長一短ではないかと感じる。
それは臨終の際。
みんなから愛されていたお年寄りが亡くなれば皆哀しむ。いっぽう鼻摘み者のお年寄りが亡くなれば、それは悲しみも湧くが、どこかでホッとした感情が生じるのも否めない。

人間はいつか必ず死ぬ。その時に家族に深い悲しみを与えないためには、好かれるお年寄りよりも鼻摘み者のお年寄りになっていたほうが家族のためかもしれない。拠って筆者は家族のために将来は、我儘で頑固で偏屈な鼻摘み爺になってやろうと思っている(笑)。←なんて詭弁だ!

福田康夫の評判が最悪だ。筆者は首相就任以前から「あの他人を小馬鹿にする態度は大嫌い」と公言していたが、ようやく多数にも伝わったようだ。
テレビでは連日、「あなたとは違うんです」という辞任会見での福田節を流している。なんでもTシャツが馬鹿売れとか。
その反動か、新総裁候補者たちの評判は意外と良い。マスコミもあまり叩かない。
「誰がなっても、あの福田よりはマシ」
というところか(笑)。
確かにそうだろう。

福田康夫が辞めても誰も哀しまない。まるで鼻摘み爺が死んだようだ。
こうして考えてみると、福田康夫の最大の功績は、「みんなから嫌われて首相を辞めたこと」かもしれない。
「あなたとは違うんです」が、福田康夫の首相としての最大の功績かもしれない(笑)。

首相辞意で自民支持増


【追記】
大嫌いな福田康夫だが、2つだけ「見事」と感心させられた行動がある。
ひとつは小泉内閣当時の官房長官辞任だ。
この時、政界は政治家の年金未納問題で大揺れだった。
自民党の大物政治家の年金未納問題が次々と明らかとなり、野党・民主党の菅直人代表(当時)は団子三兄弟をもじって「未納三兄弟」などと激しく批判していた。
ところが、その菅自身にも未納時期があったことが発覚する。責任を問う声が上がったが、菅自身は「厚労省が勝手に徴収しなかった。自分の責任ではない」と代表の座を放そうとはしなかった。「その言い訳って自民党議員と五十歩百歩じゃない?」なんて時に、福田官房長官の未納問題が発覚。すると福田はすぐさま官房長官を辞任する。福田との態度の違いが鮮明になった菅直人は結局、代表辞任に追い込まれ、哀れなお遍路さん姿を晒す醜態まで見せなければならなかった。
そして今回の首相辞任。民主党の代表選挙を吹き飛ばし、自民党総裁選に注目を集めて政党支持率アップまでもたらした。

官房長官辞任も首相辞任も、政治的自爆テロみたいな物だと感じる。自爆テロは失敗すれば犬死だ。だが福田は最も効果的なタイミングで成功させた、二度も。
首相の福田は、将棋でいえば既に「死に駒」だった。だがその死に駒を絶妙のタイミングで切って相手に王手をかけた。

彼は敵の足を引っ張ることにかけては天才的感性の持ち主であると感心する。


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