東北の復興状況を見てきて、はて?被災地は東北だけだったか?
などと、思ったりする。
先だっての大島の大雨による土砂災害は記憶に新しいし、
今年に入って、山陰の洪水被害や各地で起きた自然災害も
被災地と言う点では同じような気がする。
ただ、東北の場合は規模が大きすぎる。
支援をしようとしても、隣町まで被災してどこも同じような状況で、
自分の所だけで手一杯だっただろうと想像する。
去年あたりまでは東京でも『東北復興チャリティー○○』などというものを
よく見かけたが、最近ではそう言った類のものは探さないと見なくなった。
そして『チャリティー』と言う名を借りた金儲けが、横行しているのが実情です。
『チャリティー(charity)』とは、慈愛・博愛・同胞愛または慈善の精神に基づいて行われる
公益的な活動・行為もしくはそれを行う組織のこと。
社会福祉、貧困地域の飢餓救済、紛争地域の難民救済、
災害・事故などの犠牲者や遺族に対する支援活動などといった、
社会に対する貢献全般でそれに係る費用は寄付・寄進によって支弁されることが多い。
ところがよく見かけるのは「必要経費等を差し引いた利益を寄付します」という文面。
僕はいつも『えぇ・・・?これって、チャリティーなの?』・・・って思って見ている。
必要経費等を差し引いた利益・・・
と言う事は、自分の懐は痛まない。
必要経費の中に、何が含まれているのか?などの詳細報告も無い
綺麗事言って、しっかり自分の取り分は確保して儲けている・・・・。
いわゆる『インチキ』が凄く多いのが実状です。
例えば、『ビッグネーム』を呼んでのチャリティーコンサート。
ビッグネームはノーギャラでも、音響・照明と言った裏方スタッフは通常通りの仕事をする。
それゆえに、「必要経費等を差し引いた利益」など、殆ど出ないのが実状。
中途半端なタレントを招いて、赤字になってしまった事もあるそうだ。
慈善活動ならぬ『偽善活動』で、単なる売名行為でしか無いのが実態。
被災後に行った、売り逃げの中古車業者や、住宅メーカーの足元を見た商売や
チャリティー等を語った『ちゃっかり便乗商法』は、地元の人にはとっくにバレてしまっているから
そう云った『東北復興チャリティー○○』とかには、冷めた目で見ている。
まぁ、国会議員などの政治家もゼネコン絡みだったりで、この時とばかりに
『復興特需』を享受している胡散くさい人間が
うようよいる事も、復興支援に出かけて解った事だった。
我々がやった被災地でのアマチュアミュージシャンによるライブ。
そんな事も有ってか?東京から来た我々も同じように観られたのかは定かではないが、
初日から2日目までは、なかなか聴きに来る人が集まらなかった。
そんな状況だから、最初は会場に居るスタッフや出演者で盛り上げるしか無かった。
それでも、地元の人が徐々に見に来てくれて、やった意義が有った気がする。
最終日の屋台村での打ち上げライブは、屋台村の人たちやお客さんが集まって盛り上がった。
このイベントは、前出の『インチキチャリティー』とは違って、イベントの必要経費は
みんなから集めた会費で賄い、身を切った活動をして来た。
地元のホテルに宿泊し、飲食で金を落とす。
僕個人だけでも、宿泊費以外に、現地で使った金は3万円弱。
100人近く出向いたから単純に数百万円の金を、現地に落として来た事になる。
各会場では、ちょっとしたワークショップや、出店を開いて小銭を稼ぎ、
稼いだ金は、微々たる金額かも知れないけれど、地元の商店会に寄付金として贈呈して来た。
こう云った地道な活動でしか、被災地の人たちの『心』は癒せない気がした。
小さな運動がどんどん広がりを見せてくれたら・・・・と思う。
自分の体を動かし、汗をかいて何かをする。
『The North Journey Reunion』は、間違いなく『インチキチャリティー』とは違って居た。