ノーベル賞:梶田さん、兄貴分の無念晴らす
http://mainichi.jp/feature/news/20151007k0000m040106000c.html
師弟でノーベル賞とは、レベルが高すぎて凄いとしか言いようが無い。
1987年、小柴昌俊氏が設計を指導・監督し、岐阜県飛騨市の地下1000メートルに
「カミオカンデ」と呼ばれる観測施設を設け、史上初めて自然に発生した
ニュートリノの観測に成功した。
この事により2002年に小柴昌俊氏はノーベル物理学賞を受賞した。
2008年に他界した故戸塚洋二・東京大特別栄誉教授が、
「カミオカンデ」の規模を大きくした「スーパーカミオカンデ」で、
ニュートリノに質量がある証拠になる現象を世界で初めて捉え、
物質を構成する素粒子の一つ「ニュートリノ」に質量があることを示す
「ニュートリノ振動」発見し、梶田隆章氏はその実験のまとめ役として活躍した。
言わば後輩が先輩の研究を引き継いで来た形。
「ニュートリノ」と言えば『カミオカンデ』。
その『スーパーカミオカンデ』を使って研究をしていたのが故戸塚氏であり、
その後継者が梶田氏だと言うから、まさに師弟が2代に渡ってノーベル賞を受賞した事になる。
弟子がノーベル賞受賞と言う栄誉に輝いて、小柴先生も感慨深いだろうなぁ・・・・
僕にも『弟子』と呼ぶ後輩がいるが、何よりも嬉しいのは、
その連中が自分の仕事を引き継ぎ、更に進化させている事。
小柴氏が先駆者で、梶田氏がその後継者と言うのと同じように、
後を引き継いだものは、先駆者を越える事が、恩返しの気がする。
人を育てると言う事は、自分の子供を育てるのと同じだと思っている。
、子供の為には自分の持っている知識や、経験を惜しみなく注げるもの。
そしていざという時には身を呈してでも守ってやるという覚悟が居る。
だからこそ、時には厳しくする事もあるのだが、それは愛情から来るもの。
後継者を育てるのも一緒で、それと同じような覚悟と愛情が居る。
いくら育てようと思っても、そう云った気持ちが伝わらない相手は育たない。
だから梶田氏も、受賞の報告を真っ先に小柴氏にしたそうだ。
師弟関係と言うのは、そんな風に気持ちも通じ合っている気がする。
ノーベル賞だけに、小柴氏にすれば喜びも格別なんじゃないだろうか?
しかし、日本の物理学者も凄いですね。
僕の仕事は、その物理の世界を支える装置を作る事だった。
世界一の性能を目指すのも、こう云った研究の一翼を担うから・・・・
そう思って、やって来たのだけれどね。
そんなマインドも持ち合わせていないで、何となく装置を作って居る、
設計者たちを見ていると、何とも言えない気持ちになる。
同時に、本社に居た頃に少しでも性能を上げるために、必死になって
実験や装置の開発をしていた、自分たちの事を誇らしく感じる。