今日は劇団の座長と会って話をした。
劇団も今年で創立29年、28回目の公演を迎えます。
去年の12月に台本の読み合わせが有って、その時に同年代の室さんと僕の二人が呼ばれて
音響、照明、大道具などの裏方をやって頂いている方々の名簿を手渡された。
そして、本読みの稽古が終わって帰りがけに、座長が僕ら二人に
『一杯やりに行こうか?』
と声をかけてくれた。
その日は室さんが用事が有ったらしく、結局そのまま解散して別れたのだけれど、
正月休みに今度の公演の台本を読んでいて、その中に
『若い頃に劇団で一緒だった仲間』の話が出てきたり、会社の後継者の話が出てきたりと
何だか、今の劇団の状況が暗に書かれているような部分が有って、
年末に座長が、我々に話したかった事は何だったのか?が気になりだした。
それで一昨日、座長に電話して、昼飯を食べながら話をする事になった。
ここ数年、座長は事あるごとに
『俺が居なくなった後は・・・・』と言う言葉を言うようになってきた。
もう80代の後半ですからね。
真面目な話、そんなに遠い将来の話では無い。
そうなったから『さて、どうしようか?』などと考えるのでは遅い、
僕自身も、座長の考えを聞いておきたい部分が有りましたからね。
そんな訳で、僕の訊きたかった事は『今後の劇団運営について』。
『今日はどうした?』
と座長に訊かれて、僕は『今回の芝居の事じゃないんです』と前置きして、
『座長が良ければ、僕と室さんの二人が中心になって劇団を継続させたい』
と言う事を話した。
僕にとっては、誰が座長の後釜になるとか云う事はどうでも良くて、
とにかく今やって居る、劇団の『崇高な遊び』を如何に継続するか?
が、一番考えている事なのです。
そんな話をしたら、座長は嬉しそうな顔をして
『いやぁ、そちらから言いだしてくれたのが嬉しいですねぇ』
と言ってくれた。
年末に、座長が話をしたかった事も、この話だったらしい。
その一言で、この日の話の目的は終わってしまった。
その後は、細かい運営についての話などは殆どしないで、劇団の歴史や
座長が築き上げて来た人脈との出会いなどの話を聞かせてもらった。
今後も継続して行くための役割分担をどうするか?
などの話もしたのだけれど、それは僕の一存では決められませんからね。
でも大きな事は、『僕らが引き継いで行く』と言う事を宣言した事。
人の問題だけじゃなく、金銭面の問題も絡んで考えないといけない。
座長が今の劇団を始めたのは丁度僕らの年頃だったというから、
僕らに出来ない事じゃ無いとも思っている。
座長は『あとは、君らのやり方でやれば良い』と言ってくれました。