最近、『音楽やりたい…』って思う。
もう1年以上、相方と一緒に音を出していない。
ただね、最近はその相方と音楽に対する志向が変わってきている。
そんな風に感じるのです。
劇団で歌唱指導を受けるようになって『唄』に対する感覚が大きく変わった。
テクニック面で言えば、マイクに向かって唄うのではなく、
例えばホールの一番奥に向かって唄うような感じ。
バンドでライブをやっても、マイクに向かって唄っていた。
いわゆる『口先』だけの唄い方っていうのかな?
声に張りや、力強さが無くてもマイクによって誤魔化せちゃう。
ブレス(息継ぎ)も、マイクで唄うときはさほど苦労しない。
ところが、舞台の唄い方はとにかく空気を使う。
だから、腹筋を使って唄わないと声が出ないのです。
サッカーで後ろからするコーチングと同じですね。
芝居をやるようになって、特にこの数年で『自分がやる』音楽に対しても、考えが変わった。
以前は、ビートルズの曲などの英語の曲を唄うのが格好いいと思っていた。
正直言って、英語の曲を聞いてもその意味が解らないから、
『良いメロディー』、『格好いいコーラス』の音楽でしかなく、僕はただ唄っているだけという感覚だった。
20代に仙台でライブをやった時に、凄く唄の上手いボーカルが居るバンドと一緒になった。
僕は『上手いなぁ』って思ったけれど、バンドのメンバーから
『ロックは英語の唄を唄ってなんぼ・・・』みたいなことを言われたことがあった。
今になって思えば、ずいぶん相手をリスペクトしない言葉だなぁ・・・って思うけれど、
そんな感覚が、僕のやる音楽の環境によって作られていた気がします。
でも、実際は言葉が解らないから、聴いていても心に唄が響いてこないんですよ。
だから、最近は日本のアーティストの曲を聴くようになった。
以前はあまり好きじゃなかった、長渕剛や玉木浩二などの心の叫びのような唄が
やたらと心を揺さぶるようになったのです。
相方は相変わらず、ビートルズの曲が好き。
以前、相方が長渕の曲を歌うミュージシャンを批判していた事があったけれど、
今になってみれば、ビートルズになりたい相方と何処が違うのかな・・・・?って、
そんな事を思うようになった。
おまけに相方は練習をするのが好きじゃない。
ライブハウスへ行って、お客様参加のコーナーでビートルズの曲を歌い、
店のスタッフや、出演者から『上手いですねぇ』とか褒められるのが楽しいのかな?
フェイスブックなどにも、その様子が載っていますからね。
でも、そういう場所で決して『イマイチ』だとかは言わないでしょう。
だって、お客さんなんだもん…
それでも、それが楽しみなのだろうから、それはそれでいいと思う。
そういう意味で、僕と相方は音楽志向が変わっちゃったなぁ・・・
そんな気がします。
僕はサッカーでも『勝てる試合』や『楽な試合』は好きじゃない。
『あれ?、今日はやられちゃうのかな?』
なんて、緊張感の中で勝ったり負けたりするのが好きですね。
芝居も一発勝負的なもので、練習や稽古の量が物を言う。
練習不足で通用する範囲の演奏は、演奏後の満足感がない。
練習をやった上でのミスは仕方がない、それでも満足感を得られるものも沢山あった。
だから僕は音楽はやりたいけれど、
『練習しないならやらない・・・・』
と、言い続けているのです。それでもやっぱり
『バンドでデカい音を出して演奏したい・・・・』と言うのが、本音ですね。