天童大人プロデュース「詩人の聲」 第1249回
岩田亨公演(20回目) 於)キャシュキャシュダール
「(語り)今日は御来場いただきありがとうございました。20回目の参加です。第4歌集に収録する作品を読んでいきたいと思いますが、ここ数回の公演で聲に載せた30首詠を、最後の確認で読みたいと思います。」
「記憶」30首詠
・ここ数年の各批評会に出詠した作品に手を入れ、聲に載せてきた作品群。読んで違和感がないので、作品完成としたい。
1、 「聲の力」7首詠
・第4歌集の主題に関わる作品群。多少手を入れたいところもあるが、ほぼ完成した。
2、 「祈り」7首詠
・短歌で肉親の死の虚構を許容するか。この問題に応える形で作品化した。幾度も推敲し、聲にも載せた。これも完成に近づいている。
3、 「島の娘(こ)」9首詠
・物語詩の実験作の一連。短歌9首の全体で、一篇の詩となるように構成した。フォルムもコンテキストも新しい作品が完成した。
4、 「神ならぬ者」6首詠
・わが怒りの形のごとく目の前にチーズフォンヂューふつふつと湧く
『短歌』の昨年8月号に発表した作品群。これも完成だ。
5、 「断崖」「淀む空気」「雨降る予感」「感覚」「乾いた風」各10首詠
・『角川』の角川短歌賞の予備選考通過作品。これも完成だ。
6、 「鉱山の跡」「神ならぬ身」「論敵」各10首詠
・「若きめん鶏」の表題で、運河賞次席(辞退)の作品群。これも完成だ。
7、 「われの肖像」10首詠
・総論の終わりし部屋のすみに居てミルフィーユの味われは噛みしむ
『運河』の巻頭詠の群作。掲載直後から好意的に評価された。
今の時点の到達点と感じる作品だ。
そのあと、約200首を読んだ。
前回は息切れして後半は聲が満足に出なかった。だが今回は最後まで語尾も明確に読めた。最後の200首は、手を入れなければならないものが多いが、ほぼ完成したものが、確認出来たのは、大きな収穫だった。
次回は6月8日。NPO法人東京自由大学。17:30開場、19:00開演。
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