小学生のころ、善は放課後に学童保育のお世話になっていた。
毎日とても楽しかったようで、
帰宅すると、その日あったことを私に生き生きと報告してきた。
ボードゲームを教わってきたときは、毎回私にルールを教えてくれた。
そして、実際に対戦をしてみる。
バックギャモンをしてみたり、チェスをしたり、将棋をしたり。
特に熱心に勝負をしていたのは将棋だった。
将棋のルールなど何も知らない私に、
善がすべての駒の動き方を教えてくれて、
それを見ていたおとんがなかなか立派な将棋盤を買ってくれて、
けっこう長い間二人で将棋をすることにはまっていたっけ。
駒の動きだけ知っている初心者二人が向かい合って。
坊主頭の小学生とおかんが向かい合って。
善が中学生になり部活を始めてからは、二人で勝負する時間もなくなり、
将棋盤は寂しそうに押し入れに収まっていた。
あの頃から数年が経ち、私はまた将棋にはまっている。
スマホに将棋アプリをダウンロードしたのがきっかけだ。
オンライン対戦は自信がないので、コンピューターと対戦している。
レベルがいくつもあって、詰め将棋とか、勝ち抜け将棋といって対極の途中の局面からスタートする勝負もある。
日課にしているのは、詰め将棋。
入門レベルと、そのひとつ上のレベルの詰め将棋を解くことが日課。
時間があるときは、勝ち抜け将棋も挑戦してみる。
将棋盤も時々押し入れから取り出して、
善か、善が勉強で忙しいときは将棋好きの友達に対局をお願いしている。
寂しそうだった将棋盤、少しは喜んでいるかな。
ちょっと前までは、三日坊主の私だったのに、
なんだかここ最近は、コツコツと続けるタイプに変化してきたような。
ヨガをコツコツ続けていたら、体の柔軟性が明らかに変わってきた。
将棋もコツコツ詰め将棋をしていたら、善や友達と対局してみると、
だんだん相手を苦しめる局面が増えてきた。
相手が「う~む」と唸っていると、ほっほっほと笑顔になってしまう。
まあ、善にも友達にも、今まで一回も勝ったことはないのだけれど。
押せ押せで攻めているぞ、ひょっとしたら勝てるのか、と思っていても、
あれよあれよと窮地に立たされて負けてしまう。
あっけない敗北を何度経験したことか。
人間相手に勝ったことはなくても、
趣味は将棋と言ってもよいですか。
なんとなく感覚がわかってきたところ。
今が楽しいとき。
6月19日 おかん
写真は誕生日に楽からもらった花束。ありがとう。