今日は定置網漁を終え、市場で水揚げ作業をしていると、お隣の定置網が選別作業をしているその直ぐ横に、ポツンと大きめな魚が1尾入ったカゴに目が行く。ひと目でオオクチイケカツオとわかる。オオクチイケカツオは日本では非常に珍しく、まだ標本に基づく記録は宮崎と富山の2個体のみであり、この個体は国内3個体目のものと思われる。だが、この魚は台湾以南では普通種であり、近いうちに見つけることが出来るのではと思い探していた。そうは思っていたものの、実際目の前にして非常に驚き、更に興奮してしまう。もちろん魚ボラの標本用に確保し、漁協の冷蔵庫に保管する。それから水揚げ作業を終え陸で網の修理をしていても、確保したオオクチイケカツオが気になって仕方ない。今日は土曜日であり、魚ボラの先生、学生と連絡が取れるだろうか。また、誰かが対応してくれたとしても、今日は所用があり、夕方までには戻らなければならず、それまでに標本を渡すことが出来るだろうか。更に魚のサイズが大きいので蓋のある容器がなく、大学へどのように運ぶか。など、色々と不安要素満載である。仕事も終わり直ぐに魚ボラの先生に電話するが、やはり応答はない。だが、何とか一人の学生と連絡が付き、標本の受け入れをしてくれることになる。容器は漁協に魚が入るサイズの桶を借り、魚の上に氷を掛けて、氷が溶けてしまう前までに少しでも早く大学へと急ぐ。大学へは車で1時間掛かるが、途中で氷が解けだしピチャピチャと音がする。借りた桶が浅かったので溶けた水がこぼれそうになり、それからはゆっくりと走らざるを得なくなる。大学に到着すると車の中には少しだけ水がこぼれただけで済む。学生に標本を渡すと直ぐに帰らなければならない時間である。学生は一人しかおらず、標本のサイズも大きく一人では処理が大変そうではあるが、頼れる学生なので後は任せて帰路につく。そして夜にはその学生からメールで標本写真が送られてくる。今日は本当に標本を確保したことよりも一人の学生に助けられ、とても嬉しく感謝で一杯である。
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