久遠の絃

-くおんのいと-
since 2003/9/1
キレイな写真なんていらない。もっと本当の姿が見たい

みみうちするあいだに

2007年02月11日 22時57分39秒 | ことばのうみ
耳打ちする間に進んでいく時間
小さく小さくもしかしたら聞こえないくらいに 小さな声で君にささやきます。
君は小さく小さく頷いてくれればそれでいいのです
それ以上は何も言いません たぶん二度は言いません
ただ頷いてぼくの手を握ってくれればぼくは幸せです

あの人が私の耳にそっと言葉を投げかける
小さく小さく消えてしまいそうなくらい小さく でもはっきり聞こえる声で
頬を赤く耳を赤く染めたのは私なんでしょうか
それ以上あのひとは何も言わず 私から目を背けてしまいます
飛び跳ねる胸の鼓動は 言葉とともに飲み込んでしまいました
ただどうしようもなくきゅっとあの人の手を握りました

そして耳打ちする間に恋が始まりました
ゆっくりと流れていく時間 手を通してどきどきが伝わってくるように
二人の時間が組み上げられていきます
誰もふれることの出来ない 二人ですら壊すことの出来ない
暖かな空気と やわらかな時間
ただゆっくりとゆっくりとゆっくりと
二人だけの時間が過ぎていきます

ぼくは君の手をきゅっと握り わたしはその手を握り替えし
華やぐ街の音さえ聞こえないくらいに 耳元にそっと
耳元にそっと
耳元にそっと


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