あの日居た場所

あの日居た場所は　何も変わらずにそこにありました
いつの日からか通うこともなくなり　いつの日からかそれ自体を忘れ
流れゆく時の中　ふと思い出せば　帰る場所があるようで

撮影場所：木本高校

流れていく雲

流れていく雲は　遠く遠くどこまでも遠く
いつか行ったあの場所　これから向かう場所
眺めるほどに　ゆっくりとその形を変えながら

光

光り輝くほどに暑い空は　ゆっくりと沈みゆき
照りつけていた真夏の日差しも　次第に山の向こうへと
この場所に降らない雨　見上げる空は薄く小さな雲が浮かび

明けていく

明けていく空を　流れ出す雲が染める
傾き落ちていく夜は　朝の光に照らされて
いつもと変わらない朝　いつものように一日が始まり

遠く

遠くへ続いていく電線
どこまでもどこまでも　誰も知らないところまでも
つながる光りの元　ゆっくりと夜はやってきて

手を広げ

空に向かって手を広げるように
雨のない乾いた空から　冷たい光が差し込む
暖かな空は　雨降る様子さえも見せずに

夕の色

空が夕の色に染まり　今日の日が終わりを告げる
音もなく変わっていく空は　知らぬうちに紅く
風の中に　もう一つの夜を見つけながら

紅

紅い花は曇る空を眺め
薄い日差しを待ち望む
吹き抜ける　冷たい風の通る場所で

突き抜ける

雲を貫き　差し込んでくる朝の光
肌に当たればしびれるほどに暑く　目にはまぶしく
冷たい朝の風さえも　肌を切るように固く力強く

小さく

小さく咲く花は　曇った風にゆれ
いつか降りだしそうな空は　まだ雨の気配もなく
沈む冷たい風は　ざわりざわりと山をゆらして